第三回きのこたけのこ戦争(←カイナ隊VS三島菜奈

 さてさて、ダンジョンボスの待つダンジョン部屋がある下層になって敵が強くなってきたわけだけど……


「第三回きのこたけのこ戦争を始めまーす!!」


 結局、うちの二人とナナちゃんが強すぎてモンスターが逃げ出す始末なので暇潰しに戦争をします! 前回は柊樹さんに思わぬカウンターを決められたけど、そんな柊樹さんにもちゃんと食べてもらってるから!


「暇潰しに戦争って……」

「変なところ拾わなくて良いよ?!」


 カケルは細かいところ気にするから女の子にモテないんだよ。ほら、他のみんなを見て! 柊樹さんなんかやる気に満ちて冷気にも満ちてるよ。


「いやこれ、圧力試験みたいになるくない? 大丈夫かな、ダンジョンの中だから全然魔法戦になってもおかしくないような……?」

「気づいたか……最悪逃げろ」


 やばい。思ったよりもやばいかもしれない。でも今止める方が柊樹さん不機嫌になりそうだし……


「私はどっちも好きかな……」


 あ、始まってる。仕方ない、最悪僕は逃げるとして……


「どっちは無しで!」

「えぇ……」


 えぇ……というナナちゃんの困惑した顔に胸が痛むけど、ここは譲れない。え、どうしてそんなにきのこたけのこ戦争に拘るのかって? だって、じゃないと暇なんだもん!


「結局そこなんじゃな」

「いや、暇でしょ?」

「暇じゃ」


 ほらね。本当に暇なんだよ。ただ歩くだけだよ。それをずーっと続けてるんだよ? 気がおかしくなりそう……だから戦争するんだよ。分かった?


「それで、どっちかって言うとどっち?」

「う〜ん、きのこ?」


 敵だ……! 初めてのきのこ派だ。僕とカケルは言うに及ばず、柊樹さんも最近はたけのこ派になってきてたからね。


「で、でも……」

「ん? なんか言いたいことがあるなら言えよ」


 カケルが優しい。なんか、ナナちゃんに対してだけ優しいような……あ、もしかして冷たくしちゃってた事を気にしてるのかな? ふふふっ、カケルも可愛いとこあるなぁ。


「えっとぉ、すぎのこ町って知ってる?」

「あー……」

「知らぬな。ただ、お主が言うなら……」

「え、え、二人とも分かるの? 僕はさっぱりなんだけど」


 カケルが微妙な顔して柊樹さんが納得したように頷く。いやいや、僕にはさっぱりなんだけど。本当に全然察せないんだけど……普段のカケルくらい察せないんだけど!


「そこまで察し悪くねぇよ……」

「それよりも、すぎのこ町ってのはどんなのじゃ?」


 僕とカケルがふざけあっている間に柊樹さんが仕切り始めちゃった。マズイ、役目奪われた……!


「えっと、昔のお菓子。美味しいよ?」

「確か販売停止になったやつだよな? 世代が違うんだが……」

「でも! 美味しいよ。小さい頃、お爺ちゃんに食べさせてもらってから美味しくて美味しくて……」


 ナナちゃんはそのすぎのこ町っていうお菓子を思い出したのか幸せそうに微笑む。か、可愛い……! ってそうじゃなくて。話から察するに昔のお菓子、なのかな?


「菜奈は実は祖父っ子でな。全体的に知識が古いのじゃ。歌とかも演歌辺りが出てくるぞ」

「そうなんだ……それでさ」

「ん? なんじゃ」

「カケル、どう思う?」


 僕はナナちゃんの意外な一面より、ナナちゃんに異様に優しいカケルが気になって仕方なかった……何あれ、カケルじゃない。


「妾も優しくしてやろうか?」

「止めてください……」


 柊樹さんに優しいとか後で何させるか分かったもんじゃないからね……

 さてと、今回のきのこたけのこ戦争だけども。


「この場合、どうするの?」

「ごめんね、私のせいで……」

「いやいや、ナナちゃんのせいじゃ──」

「ナル、良いじゃねぇか。好みは人それぞれだぜ」


 ……カケルの優しさが異常なんだけど。そんなに気にしてるのかな。普段のカケルなら気にしなさそうだけど。もしかしてモンスターの幻覚魔法……?


「萌葱のアレは昔色々あったんじゃよ。ナナに対しては強く出れんのじゃ」

「ふーん。なるほど……?」


 ちょっと気になるけどとりあえず呑み込んで置くことにした。だって──


「周りの雰囲気が変わったね。多分ボス部屋が地階んだよ。ってことで、一旦きのこたけのこ戦争は保留」

「ナル、逃げるのか?!」


 カケルがうるさいけど、きっとボス部屋に着いたら静かになってくれるだろう、と僕はそう思ってカケルとあーだこーだと言い合うのであった。


 ─────────────────────


今回、自分でもあまり納得してないです。きのこたけのこ戦争とカケルが異様に優しい件についてを同時に進行していたせいで、ゴチャゴチャ感あります……


とりあえず、ナナは内側は昭和くらいのイメージを持ってもらえたら……すぎのこ町っていうのはすぎのこ村っていうのがモチーフ。なんかポッキーみたいなやつです。僕は食べたことない……


☆☆☆の方、いましたら是非是非3回ポチポチッとして頂ければm(_ _)m

もうしたよー、って方は本当にありがとうございます。これからも頑張ります♪

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