【11回の表】母の日と「日韓」対抗戦?

5月7日(土)


 本日は5番左翼手で先発復帰。まあ二塁手よりは気が楽だけどね。ただあまりころころと守備位置が変わると困るのはオールスターゲームでの扱いだ。俺はいったいどのポジションでエントリーされるのだろう?今年の個人としての一番の目標は「オールスターゲーム出場」なのだ。これ亜美と由香さんくらいにしか言ったことないけどね。


 今日はこちらがヘル吉、向こうはエースの右腕ガスター。ガスターとは昨季から何度も対戦している。とにかく頑丈さが売りタフガイだ。ちなみに彼の母親はハワイ出身の日系4世なので植原さんとも仲が良いし、俺にも気さくに話しかけてくる。とはいえ勝負は勝負だ。


 1回表、先制2塁打を放ったドンゴを二塁において、フルカウントからの外角へのチェンジアップ。右翼席への11号2ラン本塁打。


 今日は1か月の離脱から復帰したばかりのドンゴに待望の今季1号、BJ(アップルトン)に5号本塁打などがでて2対10で圧勝。投げてはヘル吉が5回無失点で3勝目をマーク。


5月8日(日)


 本日は「母の日」。母親への敬愛の象徴としてピンクをベースにした限定ユニフォームを着て試合をすることが多い。俺の「ピンク」ユニフォームに食いついたのが亜美だった。


「それ、かわいいね、」

「え?俺かわいい?」

「アホぬかすな。ユニのほうじゃい。それ。ショップで売ってるの?」

売っていなくはないが、もっと人気球団のユニの方がいいかもしれない。タンパベイなんて知らん人の方が多いだろ。


 一応母親に贈ろうと思った分があったが、そっちを亜美にやることにして母には別のものを贈ることにした。どうせ「ユニフォームなんて邪魔」とか「私が着れるサイズなら家庭菜園はたけで使ってもいいけど」くらいにしか言われないだろうし。


 今日も5番左翼手で先発出場。先発投手はこちらがウェズ、あちらは右腕のバーグソン。1巡目の打席は二死二塁でなぜか4番のドンゴが申告敬遠。いや、一応俺は現時点で本塁打数が両リーグでトップなんですが。ただ俺に対してもストライクが入らずに四球で満塁へ。ただ後続が攻めきれずに無得点。


 2巡目の打席は4回。荒れ球が良い感じで外に散ってるバーグソンの投球。ジョニー、ドンゴの連続安打で1点を先制して無死二塁。ただバーグソンは俺に対して徹底的に外角へ。外角へギリギリ外れた4シームを左翼線へ流す2塁打。1点を追加。


 今日は4打数2安打1四球打点1。チームも3対5で勝ち、開幕3連戦での3連敗の意趣返しリベンジができた。


試合ゲーム後、ボルティモアからオハイオ州クリーブランドへ移動。


5月9日(月) 


 移動日のためお休み。これはレイザースのためではなく前日までカリフォルニアで試合をしていたホームチーム、クリーブランド・インディペンデンスのためのものだ。まあ時間帯タイムゾーンを3つ越えるからね。


 午前中はホテルのジムやプールで疲れぬきの調整のための軽めのトレーニング。夜は先発投手陣で飯を食いに。クリーブランドは北米五大湖のエリー湖湖畔にあってアメリカでも歴史が長いエリア。そういう意味ではご飯が美味いところも多い。


5月10日(火)


 今日は先発投手(左投げ)。今日はやたら日本からの報道陣が多いと思ったら半分くらいは南高麗のメディア。


 クリーブラントには南高麗のチューシンシュ(左打ち)さんが所属しているためだ。南高麗の選手は我が強すぎる方が多いのでかかわると正直疲れる。もちろん、日本人選手も昭和生まれの先輩は「俺様」な方が多いのでそこは大して変わらないんだが。それでも南高麗の選手はマウンドに旗を立てる「習性」があるので「隣の国」なんだが、日本人の民族性的には世界でいちばん遠い国なのだ。


 それにもまして報道陣が「うっとうしい」のだ。あちらはおれが高麗語ができることを知ってるんだが、それをもとに「儒教マナー」を押し付けてくる。高麗語は敬語に関して厳格で年下の人間に「ぞんざいな」表現を使うことが多い。みんな俺より年上で「高学歴」なので俺を「格下」相手の言葉を使うのだ。なまじっか言葉が理解できるから辛い。


 なので取材は「英語」でお願いしている。今日は「ミニ高日戦」と言うことだそうだ。いや別に「国家」関係なくね?


 調子は悪くなかったが初回に先頭打者本塁打を浴びる。パワーあるメジャーリーガーなら「出会い頭」の被弾はある。野球は「確率」のスポーツなので仕方ない。2番にも安打を打たれたが3番チューさんが二ゴロ併殺で助かる。


 結局6回2対2の同点だが100球を超えたので降板。チームはサヨナラ負けを喫したが俺に負けはつかなかった。彼らは試合後も律儀に取材に来てミスター・チューとは3打数1安打1四球(併殺打1)だがクリーブランドが勝ったので今回の「高日戦」は南高麗の勝利なのだそう。もういやだ、この人たち。


 沢村健の今季の成績。


打撃

(左)打席55 打数44 安打21 単打5 二塁打5 三塁打2 本塁打9 打点19 四球10(敬遠2)

(右)打席19 打数16 安打7 単打3 二塁打1 三塁打1 本塁打2 打点7 四球3(死球1)


合計 打席74 打数60 安打28 単打8 二塁打6 三塁打3 本塁打11 打点26

四球13(死球1敬遠2)盗塁3

打率.467 出塁率.572 長打率1.217 OPS1.778


投手

(左)試合3(先発3)22回 自責点3 防御率1.23 2勝0敗 QS3 被安打11 四球7 三振19 WHIP 0.8182(とても良い)

(右)試合2(先発2)13回 自責点6 防御率4.15 0勝2敗 QS2 被安打11 四球2

三振10 WHIP1.083(良い)


合計 試合5(先発5)35回 自責点9 防御率2.31 2勝2敗 QS5 被安打22

 四球9

三振28 WHIP0.8857(とても良い)




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