何度だって愛に生く

葉月 陸公

第0話 いつかの約束

「何書いているんだ? 湊」

「遺書だよ。戦場に行くんだ。安全なところで戦う友人のためにも、遺言くらい残したい」

「お前は俺が守るよ」

「わかっているさ。信頼しているよ、僕の未来の旦那サマ」

「……」

「何? 怖くなっちゃった?」

「実を言えば、少し」

「あはは! らしくないじゃないか!」

「守りたいものが増えた証拠だ」

「……いいね。そういうところ、好きだよ」

「俺も、お前が好きだ」

「ねぇ、アズール」

「なんだ、湊」

「僕が死んでも、せめて、思い出だけは、忘れないでね」

「……まさか。忘れるはずがない」


「何度だって、会いに行くよ。君の元へ」

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