第48話 救世主

 とりあえず、さきさんの経営しているホテルで、長期宿泊の手続きを。助かった。暫くは凌げる。


 りなに説明をするために、とりあえず、外出。それと、さきさん、カードまで用意してくれて。


 まだこの世界では出会ってない、みさ、周りの人、どうしたら幸せに出来るのか…無理だよな、それは。


 るいさんを支えないと。りな、ごめん。きみはしっかりしてるから。俺の綺麗事だね。ごめん。


もう、疲れた…俺だけでも精一杯だよ。


 それでも俺は、その場で少しずつ対応して、この世界で生きていくことだ。この世界では、るいさんの存在は誰も知らなかった。


 俺はみさきの弟になってる。みさきの様子から、みさきの知り合いに合ってもスムーズに受け入れられるだろう…だから、絶対に、るいさんを一人にすることだけは、してはならない!


 この世界で、誰からも存在を知られないってどれほど寂しいんだろう…るいさん…大丈夫か?


ヤバい。不安だ!戻らないと!るいさんのこと…


…………………さきさんのホテル……………………


【るいさん!】


ギャハハ!ん、笑ってるのか?


【るいさん?】


【はると、あれ?りなちゃんに会いに行ったんじゃ?どうしたの?】


ふー、大丈夫か…良かった。


【るいさん、何してたの?笑い声聞こえたけど】


【この番組、懐かしいなーって。やっばこの人達、レベチ】


…………………大丈夫みたいだな……………………


【はると、この間話したことだけどね…】


無意識に、るいさんを強く強く抱きしめていた。


【その先は言わないで…】


【はると…うん、ありがとう】


 るいさんも背中に手をまわしてきた。少し震えている。


【これで、はるとはいいの?】


【もちろん!りなには全て伝える】


【悪いことしちゃったなー、りなちゃんに】


るいさんを一人に出来ないよ。出来るわけない。


【るいさん、辛いこと聞かせてもらうね。るいさんの彼氏ってどんな性格、見た目、感性の持ち主?】


【…はると】


【辛いかも知れないけど、知りたいんだ】


【…はると、なんだ】


【?いや、俺じゃなくて】


【はると本人なの、思い出しても、はるとしか浮かばない】


どういうこと。これ。何故俺なの?


 るいさん、辛いからそう思い込んでいるのかな?

それともここに移動してきた副作用か?


【解ってる。でもどうしても、思い出すのは、

はると、あなたしかいないの。誰と付き合っていたとか、思い出そうとすると、浮かぶのは、はると】


 うーん、何かが変わってる。これは思い出のの書き換えって感じなのかな?るいさん、俺じゃなくて彼氏がいたはずだよ。でも、俺に出来ることは、


【るいさん、そばにいるからね】


【ありがとう😭不安で不安で仕方なかったの😭】


※ガターン!※ なんだ!外だ!凄い音がしたぞ!


慌ててドアを開けて見ると、なんだこの暗闇?渦?


【二人共、つかまって!!!急いで!!!】


誰だ?わっ、強引に…痛いって!


 るいさんと共には、その人に暗闇に引きずり込まれて、理由わからずに。


………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


【大丈夫?二人共?】


誰?この人、見覚えがあるような…みさき!


年齢的に、失礼だけど、なんか…年とってる。


【びっくりしたでしょ?久しぶりだね、るい、はると。未来の、だいぶ先のみさきだよ!】


やっぱ、みさきだ。慌てた俺は思わず、


【みさき、何で、どうなってるの?】


【みさきって、呼び捨てか。まぁ、それはそれで置いといて、あれからいろいろあったんだ】


みさきの説明で、


①俺とるいさんを心配して全員で探すことに。

②調査すると過去に俺達がいることが判明した。

③二人はみさきの救うために過去へ。

④その後みさき回復、みさき自身が志願して。

⑤みさきトレーニングでるいさん同等能力を持つ。

⑥改良されたタイムマシーンで俺達を救いに。


説明を終えたみさきは、


【そろそろ着くよ。あなた達が戻りたがってる世界に。私は連続して自分の世界に戻る】


【みさき、るいさんと俺を救うために、体に影響はない?】


【私は20年トレーニング積んだんだよ。るいよりも能力はたぶんあるからさ。しわ増えたけどね…】


みさき、そんなにまでして🥲


 ありがとう。俺が弟として面倒見てくれていた、みさきにも、お礼を言いたかったな。さきさん、もちろん、りなにもね。


【みさき、俺。みんなにお礼を言って無くて…】


【大丈夫!その世界は本来ない世界。現に私とはるとは姉弟じゃないから。安心して。それも面白いけどね。そうなっても私はいいんだけどさ。それにさっきから、みさきって、何で呼び方変えたの?】


【それは、姉のみさきさんが、みさきって呼んでると喜ぶから】


【わぁー、何てブラコン…最悪じゃー!そんなんじゃないから、私。みさきさんでヨロ。年上だから】


【了解いたしました】


【了解って、固いな、はると。ところで、るいは何でさっきから黙ってるの?】


【…はるとのこと、彼氏だと思い込んでいて…】


あー、そうだったね。みさきは、


【それも本来の無い世界でしょ?それともるいの願望だったかな?ここで記憶戻ったはずだけど】


【はると、ほんとに私が解らずに、ごめん。涼って彼氏いたこと完全に思い出した】


【それもこれも、ここで戻って解決!それと、私が戻ったらタイムマシーン壊すね。何かと不都合あるし、今回みたいな危険も。はるとみたいに、勝手に開けちゃう馬鹿も…】


馬鹿…そうです。全ては俺の不注意で。


【そろそろ帰るね。元気でね、はると&るい!】


お笑いコンビですか?俺達は。


【みさきさんも気をつけて】


【みさき、はるとのことは任せてね】


 みさきさんはにっこり😀と微笑んで、去っていった。ここ、俺達の世界。戻ったんだ。何もかも…






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