第25話 イケメン二人

 変えてしまったのか?未来?そうなると…何かしら代わりに起こるのか?さきさんの弟が事故に合わずに済んだのは正解だと思うが。


 それに、姉が弟のこと大好きなのって、微笑ましいけど。むしろ羨ましいな。こんなお姉さんなら。


【そろそろ来るかな〜】


さきさんがぼそっと、呟いた。


【さきさん、誰が来るんですか?】


【呼んだの、弟のトモキを】


始めて会うな。楽しみだ。


………………………数分後………………………


【姉ちゃん、お待たせっ!…彼氏?】


 この人が弟さん。イケメンじゃーん。こりゃ、さきさんでなくてもブラコンになるわけだ。


【トモキさんはじめまして。はるとです】


【あっ、どうも。姉貴がお世話になってます】


【いえ、こちらこそ】


なんだ、この当たり障りのない挨拶…


さきさん、ボソッと、


【……イケメン二人…ふふっ♥】妄想さき発動中。


弟さん、確かにイケメンだが、姉が言うのはね。


【姉ちゃん、カツ丼食べたいな〜】


【いいよ、食べて。カツ丼追加大盛りだね】


さきさんオーダー中。


【姉ちゃん、はるとさんって彼氏?】


【どう見える〜?】


 さきさん、否定してくれよ。みさが聞いていたら怒るぞ!


【トモキさん、彼氏ではなく上司と部下の関係。さきさん魅力的な女性だけど】


さきさんは、うんうんと頷く。


【そう、そういう魅力的な危険な関係でーす!】


ふざけんなよ、さき!!コラ!何言ってんだよ!


【はるとさん、姉ちゃん頼みます。こう見えてけっこう弱いとこあるんですよ。あのー、こんなこというのなんですが、姉ちゃん魅力的なほうだと思いますよ。弟から見ても、友達とかも姉ちゃんのこと紹介しろってうるさくて。年齢考えろってかんじてすよね】


任せられてもなー


【あのー、彼氏ではないんですが…】


※【はい、カツ丼大盛りね!】※


【うひゃー、やっぱ美味そー!いただきまーす】


ガツガツ!ムシャムシャ!


さきさん、嬉しそうに見て、


【食いっぷりいいねー、相変わらず!】


ガツガツ!ムシャムシャ!


胃もたれしないのかな?それにしても、さきさん、姉弟の距離感じゃないぞ!やっぱブラコンだ。


【あー、美味かった!じゃ、俺、彼女に会うんで】


そうか、彼女いたって聞いたな。


【はるとさん、姉ちゃん頼みます】


 帰っちゃった…ほんと、カツ丼食べに来ただけなんだな。食うの早すぎだろ。


【あの子、ほんと彼女出来てから、そっけなくて】


この質問はなんて言えばいいのか、何も言えない。


 さきさんは弟のこと大好きで、それは男女でなく、母親の気持ちに近いかも。


 普通に離れていくよ、彼女出来たら。それでも離れないならそっちのほうが変だから。


 成長と共に当たり前のことなんだけど、寂しそうになってるさきさんを見るのは辛いね。


【さきさんも彼氏作ればいいじゃないですか。さきさんならすぐに出来ますよ。美人だし…】


美脚っていうのはやめよう。ひっぱたかれそうだ。






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