あの夏の続きを今なら

凪風ゆられ

アングレカム

 今日は待ちに待った夏祭りの日です。

 

 りんご飴を買ったり、金魚すくいや射的をやったりとすごく楽しい時間を過ごしました。


 もちろん彼の好きなたこ焼きも買いました。

 私はたこが苦手なので今までは口にしてきませんでしたが、今日は挑戦してみようと思ったのです。

 

 もうそろそろ花火の時間なので、適当に座れる場所を探して一緒に座りました。

 軽くお話をして、りんご飴をかじって、たこ焼きをゆっくりと食べて、その時が来るのを待ちます。携帯をいじろうとしたけれど、両手はふさがっているいる状態なので、上手く操作できませんでした。

 

 辺りが静まった頃、周りのみんなが空を見上げ始めます。

 あと少しで始まるのでしょう。

 私もそれに習い食べるのをやめ、同じように空を見つめました。


 下から昇っていく光の弾。

 真っ黒のキャンパスに色どりを与えていきます。

 数は一つ二つ──すでに数えきれないほど、人々の視線を奪っていきました。


 今ならあの夏の続きを伝えることができるかもしれません。

 

 私は光り輝く空に向かいゆっくりと口にします。


「──好きです」


 上がる花火と同時に、透明な雫が落ちていきました。

 

 

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あの夏の続きを今なら 凪風ゆられ @yugara24

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