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学生という身分を脱して以来、

独り暮らしをしていた。



故郷を後にして

遠く長く。


故郷に

帰る理由も

会いたいと思う人はなし。




それ以上に仕事が面白かった。


今でいうと

『フリーランス』


クリエイティヴ系の文章書き。

様々な仕事を

掛け持ちしていた。



変化に飛んだ仕事内容。

夢中になると同時に

目まぐるしく流れる時間と日々。


満足感と心地よい疲労。


日々、充実していた。



それともう1つ。

当時、

『定住』していなかった。

馴染みの出版社を連絡先にして、

日本中を転々としていた。


一か所に長くとも2か月。

短いところで3日ほど。


宿となる場所は

日本全国どこにでもあり

困ることはなく。


仕事用のノートPCと

当時出回り始めた携帯電話。

これだけあれば

仕事が出来た。


日常の足は

ロードタイプの自転車で

事足りた。


締め切り以外に

時間拘束もなかった。


自由を謳歌していた。

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