『落研ファイブっ―何で俺らがサッカーを?!』7-1・7-2に関係する落語や用語について

本稿では『落研ファイブっ―何で俺らがサッカーを?!』7-1「生霊の宴」および7-2「昭和レトロな夜にして」に関係する落語や業界用語等を相変わらずとっても雑にお話します。


今回は落語をご存じであればすぐにお分かりになったと思いますが『竜田川姉妹』=落語『千早振る』から着想を得た話です。


☆落語『千早振る(ちはやふる)』

『ちはやふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは』の歌の意味を娘に聞かれたお父さん。分からないと素直に言えずにご隠居さんに歌の意味をたずねに行くがご隠居さんも分からない。

博識で通るご隠居さん。

とても分からないとは言い出せず、珍解釈を披露する事となるのだが――。


ご隠居さん曰く。

『竜田川なる大関が千早と言う名の花魁おいらんに一目ぼれするも振られる(千早振る)。

次に妹分の神代に言い寄るがこれもダメ(神代も聞かず)』


からくれないにみずくくるとは→これは少々説明に字数が必要なのでここでは割愛しますが、全部きっちりご隠居さんが明快に珍解釈をしてくれます。

なお、本稿の竜田川千早たつたがわちはやの本名が『唐田とは』&洋食屋でおからのテリーヌがサービスされるのは、落語『千早振る』のサゲ(オチ)に従った結果です。


いい意味でどうしようもなく下らない話。それが落語版『千早振る』。

そこが実に良いのです。


☆岡惚れ

接点の無い人(親しい関係にない人)やパートナーのいる人を好きになる事。


☆初会は顔見世だけ

時代劇などで出てくる吉原などの遊郭ゆうかくでは、初めて客が花魁おいらんと会うさいには、花魁の側が客を見定める決まりでした。口も利かず酒も飲まず、ただ客を離れた所から見るだけ。庶民にとっては味気ないし堅苦しいような。


そのため、庶民は本稿6-2で取り上げた『文違ふみちがい』の舞台である内藤新宿(現在の新宿)などの宿場町で飯盛女めしもりおんなと盛り上がったりしたそうです。こちらはお堅い取り決めはなく、良くも悪くも気軽だったそうで。

当時の俗謡からも雰囲気がうかがえます。

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