第277話
ミヤマさんが部屋に戻っていくのと入れ違いに、ケイトが席に来たわ。待ってたわよ。
「ケイト、私は信じてたわ…貴女は出来る子だって」
二人分の食事を持ってきたケイトに私は称賛の言葉を掛けたわ。
「何の話だ?」
分からないなら教えてあげるわね…
「丁度、私も豚骨ラーメンが食べたかったのよね」
ケイト、貴女が豚骨ラーメンを注文してたとは思わなかったわ。さすがは私専属のメイドね。
「ああ、食堂で豚骨ラーメンのいい匂いがしてたからな。俺も釣られたんだよ。それで、ミヤマが居たみたいだが、何の話をしてたんだ?」
ケイトはミヤマさんが注文した豚骨ラーメンの匂いに釣られたって事か…豚骨ラーメンの影響力って凄いわね。
それよりもミヤマさんとの話ね。ケイトにも伝えておかなきゃ。
「それなんだけど、後でミヤマさんの部屋に行く事になったから」
もちろん、ケイトもついて来てくれるでしょう?
「…何でそうなる?」
何だかケイトが解せないとでも言いたげな顔してるけど…
「私のスキルの相談をしようかと思って」
分かるでしょう?聖属性魔法じゃない方のスキルよ?
「ああ…ここじゃ無理か」
どうやら察してくれたみたいね。そういう事だから、後でお願いね。
「それで、相談というのは?」
準備が終わってミヤマさんの部屋を訪ねると、椅子と丸テーブルを用意したミヤマさんに迎えられたけど…あんな椅子とテーブル、宿に無かったわよね?私物かしら?
「はい、触手の使い方について教えて欲しいんですけど…」
さっそく丸テーブルで私の右に座るミヤマさんに尋ねてみたわ。
「触手の使い方ですか?もう少し具体的にお願いします」
そうね、これじゃ漠然としてるわね。
「ええと…今はダンジョンで私とケイトとキャシーさん、サラさんの四人で第五十階層のワイバーンを倒してるんですね。
倒し方は、空を飛んでるワイバーンが体当たりしに降りてくるのをキャシーさんが受け止めるんです。
それから私が触手を巻き付けて足止めしてる間に全員で攻撃するんですけど…
ワイバーンと触手を使って戦うとしたら、ミヤマさんならどうします?」
詳しく言い直してみたけど、これで伝わったかしら?
「ワイバーンが体当たりしてくるとは知りませんでしたねぇ」
…そこ?最初に触れるのはそこなの?
「…ミヤマさんは体当たりしてくる前に魔法で倒しちゃうから知らないんですね」
魔法でワイバーンを倒せちゃう人はいいわよね…
「触手だけで戦ったときも、体当たりしてくる前に倒しましたよ?」
えっ?触手だけでも体当たりしてくる前に倒せるの?
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