第18話

 第一階層から第二階層に移動した時は、まだ慣れてなくてよく見てなかったけど、こんなに変化が無いのね…


「第二階層と第三階層でどこが違うんですか?」

 あまりに変化が無さすぎて、カレンさんに聞いてみたけど…


「畑で採れる作物の種類と、スライムの強さが違いますね

 第二階層より強くなってますが…そうですね、何匹か試しに倒してみますか?」

 強くなったスライムか…私でも倒せるかしら?


「やってみます!…危なそうだったら助けてくださいね?」

 念の為にお願いしておくわ。あくまでも念の為だからね?


「その為の引率です。任せてください」

 そうよね!一人じゃ無いっていいわね!


「まず、一匹のスライムを見つけましょう」

 そうね、最初は一匹で試した方がいいわよね?そう思ったのに…


「…三匹いるわね」

 見つけたのは三匹で固まってるスライムだったわ。


「大丈夫です。あれで行きましょう」

 カレンさんはそう言うと、無造作に近寄っていったけど…一匹で試すって言わなかったかしら?


「何してるんですか、カレンさん!」

 いきなり左右の手でスライムを鷲掴みにしてるんですけど?残りの一匹が何度も体当たりしては弾かれて転がってるし…


「二匹は押さえておくんで、その転がってるのから倒してみてください」

 確かに一匹になったけど!一匹なんだけど!


「…分かりました」

 この状況だと何だか弱いものイジメをしてる気になるけど、仕方ないわね。


 カレンさんに体当たりを繰り返してるから、転がって次の動きを始める前に…


「ここっ!」

 動きが止まった瞬間にナイフを振り下ろしたら、抵抗なくスライムに刺さって倒せたわ。私のレベルでも第三階層で通用するみたいね。


「大丈夫そうですね。一匹離しますよ?離したらメグさんを攻撃すると思うので、地面についた瞬間を狙ってください」

 私が狙われるの?私が仲間を倒したからかしら?


「分かりました!」

 狙われてもやられる前にやれば問題無いわ。やってやるわよ!


「落とします」

 カレンさんが私の足元にスライムを落とすと、小さく弾んで止まったわね。

 動き出す前に…

「えいっ!」

 成功ね!残るは一匹…


「もう一匹も落としますね」

 やる事はさっきと同じ、何もさせずに仕留めるのみ!


「えい!…」

 ふう…これで全部倒せたわね。魔石も回収しとかなくちゃ。

 カレンさんと一緒だとやっぱり毎回魔石を落とすのよね。


「…大きい?」

 魔石を見ると第二階層のスライムが落とす魔石より大きいわね?強くなったからかしら?


「大きいですね。買い取り価格も三倍になりますよ」

 それはいいわね!カレンさんが居るうちにもう少しスライムを倒しちゃいましょう!

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