追放?されたお嬢様、触手を極める
かた焼きそば
第1話
「追放ですわ!!」
そう…追放ですの。
「いきなり何をとち狂ってやがるんですか?お嬢様」
相変わらず口が悪いわね、ケイトったら。
「このままでは私、家から追放されてしまいますの!」
そう…分かってるの、私がこの家に相応しく無い事くらい…
「そんな訳無いだろう。あんだけ親バカの両親がいて追放なんてされる訳が…」
そうね…お父様もお母様も私を愛してくれてる。でも…
「ありますわ!だって私のスキルは…触手しか無いんですもの!」
こんな私に愛される資格なんて無い…
「いや、だからってよぉ…」
「触手しかスキルの無い私は家族に疎まれこの家に相応しくないとイジメられるのですわ!挙げ句の果てにお前などこの家の子じゃ無いと追い出されるのですわ!」
お父様もお母様もそんな事しないと分かってる。でも…もしも、そんな事になったら私は耐えられません。
「飛躍しすぎだろう?どう考えたって溺愛されてるじゃねーかよ。それに触手だって使えるかも知れねーし、新しいスキルだって手に入るかも知れねーし…」
「それですわっ!」
ケイト、いい事いったわね。さすがは私の専属メイドだけあるわ!
「どれだよっ!」
「こうなったら追放される前に出て行ってやりますの!
この家を出てダンジョンでスキルを鍛えながら新しいスキルを手に入れるのですわ!」
私、知ってるわ。ダンジョンに行けばスキルが手に入るって。だって、お父様に聞いたんだもの。
「スキルを鍛えるくらい家を出なくても出来るだろうが!」
「分かってませんのね!この家を出て強くなって、私を追い出した事を後悔させてやるのですわ!」
こんなうじうじしてる私なんて見せられ無いわ。生まれ変わった私を見せるのよ。
「自分から出ていくくせに追い出されたとか被害妄想が過ぎるだろう…」
「善は急げですの!ケイト、早く行きますわよ!」
お母様が言っていたわ。考えてるだけではダメ、行動しないと何も変わらないって。
だから私も行動するの。
「待て待て待て待て、こんな夜中にどこに行くつもりだよ?」
「知りませんわ!どこに行けばいいんですの?」
ケイトは知ってるのかしら?教えてくれるわよね?
「知らねーで行こうとしてたのかよ!せめて明るくなってからにしろ。家を出る荷物まとめとけ。持ち運べる量にしとけよ?」
「分かりましたわ!」
さすがケイト、頼りになるメイドね。
「チッ…話つけてくるか…」
「何か言いましたの?」
「何でもねぇーよ」
ケイトったら何処に行くのかしら?まあ、いいわ。荷物を纏めてしまわないと。
その後、戻ってきたケイトに荷物が多すぎるって怒られたの。侍女と一緒にトランク10個に纏めたのに…解せないわね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます