想いは通じる!!と思って3年過ぎた。

@ruyanyan

第1話

悶々としていた。

先週、親友にカノジョができて自慢された。

なんだこの敗北感。俺とあいつとは別に争ってもいないしカノジョになった子が

俺の好きな子だったわけでもない。

でも胸中には醜い感情が湧き出していた。


生物として、同じ性別に生まれたやつとの差を実感しているのか…

だとしたらこれは俺のせいじゃない。

人とはそういうデザインをされているんだ。仕方ない。


気を紛らわそうと思い、昼食の時間帯だったのもあり近場の

ラーメン屋に行こうと思った。

このどろどろとした感情を家系で中和しようと考えたのだ。

目には目を、歯には歯をていうでしょう。

余計ドロドロになる?そうかも。

でもドロドロ+ドロドロだとそれってもう何かわかんなくなるじゃないですか?

つまりそうゆうこと。森に森を隠すみたいな林を森に隠す?なんでもいいや…


ショルダーバッグに財布を入れてミニタオルなども準備しておく。

スマホを手に持ったところでインターホンが鳴った。

出てみると数少ない女友達のるなだった。


「けい。きちゃった」

「ちす」

「ちゃらい…なんぱされちゃう…」

「きたのそっちからじゃん!」


女友達のるなとは、中1からの付き合いだ。

入学式のグループ合戦にあぶれて残ったもの同士って感じの関係だ。

お互いなにかとあまりがちだったのでおそるおそる声をかけてみたら案外気が合って

それから一緒に遊びに行ったりする仲である。

容姿は、丸顔で童顔。年齢よりは幼く見られるだろう顔立ち。。

今日の服装はゴスロリ。節目がちで知的で静かな表情が少しミステリアスな印象を醸し出している。


だけど実際に仲良くなって接してみると冗談もいうし話しやすい。

その見た目と中身のギャップが最高にかわいい。

ちなみに本人にはいっていない。

だから…


「るな」

「なに?」


「好きだ…るなのこと恋人にしたい」

目をそらさずいった。

このタイミングで言えないなら一生言えないと思った。


「あえ……?」


ルナは奇声をあげるとちょっと後ろに後ずさった。

そりゃそうだ。遊びにきたらいきなり男友達から告白されたのだ。

断られたら俺の学生生活は終了する。

だけど、そのリスクをとってでも俺は彼女との関係に変化が欲しかった。

いつも一緒にいる口実が欲しかった。

告白しようとなんども思った。でもその一歩が怖くて踏み出せなかった。

たった一言で人生を揺るがすんだ。

好きを伝えるって事が。その先が。

それでも口にする価値はあるんだ。

彼女と一緒にいる可能性の未来はすべてがいい出来事ばかりではないだろうけど…

一緒にいるだけで幸せならリスクに見合わないほどの大き過ぎるリターンだ。


ルナが真剣な顔つきになった。なお顔は真っ赤である。

少し緊張で震えていて。その様子だけで彼女がしっかり向き合ってくれて答えを出そうとしているのだと伺えた。

時が止まったように、お互い無言でしばらく見つめあっていると、るながゆっくり近づいて抱きしめてくれた。


それだけで身体中が熱くなってうれしくて何とも言えない高揚感がほとばしって、溢れた。



「あの…さ、返事は?」

「…わかればか」


俺たちはしばらく抱き合ってお互いの気持ちをゆっくり実感して確かめ合った後

ラーメン屋に行くのをやめ、彼女と一緒に昼食を作って食べさせ合った。

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