第2話 顔をぺろぺろ
「他に犬っぽいことって、なんだろ?」
「あっ、お手、お座り、伏せっ、とか?」
「命令してくれたら、やってみるよ?」
「ふふっ、まずは『お手』ね? はいっ」
(手のひらが触れる音)
「あなたの手、冷たいね……寒かったんだよね。温めてあげる」
(吐息を手にかける)
「ふうっ、ふうっ」
「どう? 少しは良くなった?」
「そっか。良かった」
「そうだ。手の肉球をぷにぷにするのも犬っぽいよね? わたしの体には肉球なんてないけど。でも、やってみて?」
(手のひらをぷにぷにと触る音)
「ひゃっ! くすぐったい……んっ……」
「これはこれで気持ちいいかも……っ」
「ね……他にも触りたい場所、ある?」
「え? 頭? いいけど……」
(髪を撫でる音)
「たしかに犬っぽいかも……ご主人さまに撫でられて気持ちいいな……クーン」
「次はお座りね」
(床に座る音)
「この格好……けっこう恥ずかしいね」
「それに立っているあなたを見上げていると、本当に犬になったみたい」
「……大きくなったよね」
「昔はわたしの方が背が高かったのに。男の子だものね?」
「でも、大きくなっても幼馴染なのは変わらないよね」
「今は、あなたのペットだけどね?」
「きゃんっ、クーン」
「もっと甘えたいな」
「犬って甘えるときは、じゃれつくよね。えいっ」
(足のあたりに抱きつく。服がこすれる音)
「ふふっ……あなたの足、すっごく太くなってる」
「ね、どうどう? 犬っぽいかな? ちょっと恥ずかしいけど。ワンっ」
「なんでも命令していいよ? いまのわたしはあなたのペットだから」
「え? 顔をぺろぺろしてほしい? いいけど……照れちゃうな」
「あなたも座ってくれる?」
(座る音)
「うん。いい子だね」
「あっ、これはわたしが言うことじゃないか」
「あなたがペットのわたしを褒めてくれないとね。ふふっ」
「じゃ、じゃあ、いくよ? えっと……」
「や、やっぱり恥ずかしいかも」
「でも、何でも命令していいっていったし、わたしはあなたの犬だし……んっ……」
(顔をぺろぺろと舐める音と吐息)
「んっ……れろっ……ぺろっ……クーン、クーン」
(耳元で)
「幼馴染のご奉仕はどう?」
「ちゅっ……んっ……れろっ……」
「あはは、あなたも照れてるね……わたしもすっごく恥ずかしいけど……」
「でも、あなたが満足してくれるまでやめないよ?」
(ふたたび舐める音)
「……んっ……れろっ……ねえ、他の女の子にはこんなことさせないよね?」
「片瀬さんとか……」
「でも、あなたのために犬の真似をするのは、わたしぐらいだよね」
「んっ……れろっ……あなたの顔、舐めると美味しいかも」
「ちゅっ……んっ……」
(離れる)
「満足……したみたいだね?」
「良かった。ふふっ」
「わたしはあなたの幼馴染だから、頼まれれば何でもしてあげる」
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