第15話告白しない理由

私が須崎八代(スザキ ヤシロにカミングアウトしない理由。

あくまでも独身目線で・・・。

 付き合うとデートするときは繁華街に出て行く事になるが、周囲の眼はどうだろう?奇異の目や嫌悪の目が否応なしに八代に浴びせられる事になる筈だ。夫婦ならば未だしも。

 だから人より手間が掛かる私に注意を祓うより健全な男がいい筈だと、気後れしていた。

 マカオのジーン・リーは、若者向きのアパレルラインを独自経営していた。

 何につけても高飛車で、意のままに動かないと夫でも叱責するからジーンの夫は、若い女に寝取られた。

 だから反動でチャットをしている私にでさえあなたは所作の一つにも時間を掛ける趣味があるの?と、高飛車に送信してきたから「そんなに偉そうならあなたの事業は社員が見限り一人一人離れて行く。やがてはその事業も衰退して行くだろう。

考えを改める方が良さそうだ。」と、注意を促した。

 それが効いたのか「十日後に日本の神戸市に行くからあなたのお金で市内観光を案内してその後私を食べて?」というメールが届いた。あなたのお金で、という所が本音で冒頭から投資話をしない彼女は信用できると思った。詐欺師の素質はなかった。

 しかし、私には左半身が麻痺して思うように動かないから、果してジーンを満足させる事が出来るか思案している間に眼前から去って往った。

 令和3年夏。コロナウィルスは結局撲滅出来なかった。世界で20万人あまりの死者を出し、日本政府の緊急事態宣言をも功を奏さなかった。蔓延していた。

 自粛要請の重大さを知らずマスク無しで外出する無防備さがファッション化して若者の間ではカッコイイとまで言われた。がしかし、コロナウィルスはそんなに甘くはなかった。 C国の生物化学兵器だとまで言われたがいつの間にかその真実に研鑽する事も無く立ち消えていた。

 あちこちでオンライン飲み会やオンラインバーが繰り広げられていたが、それはやがてフェイドアウトして行った。

 

 東京の人口密度は、約9千人弱だ。この日本に於いて東京はミックス。

 就労ビザを発行済みの移民が大量入国したのは、日本政府が外国人の入国拒否を決定する以前の話しだった。

 低迷していた運送業界の人手不足は、移民の働きによりその経済は持ち直していた。日本の経済成長率は0、8%、ドル相場は107.56円だった。

 世界が変わっては諸行無常の如く刷新されていた。

私は相

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