横たわる緋鯉の記憶朝の夢

快速や梅雨の晴れ間の無職なり


クーラーや車窓にのぞくテニスコート


横たわる緋鯉の記憶朝の夢


五月去り裏切りを思う乗り換え中


炎天や食べることない緋鯉見る


電柱の日暮れて泣くか虎落笛


電柱も枝に憧る花吹雪


電柱と赤いポストが沈む梅雨


電線の黒く切り裂く五月晴れ


猫丸く笑う月となりにけり

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