泣いてバショクを斬る


つか失恋の気てなに?・・・ああ、男にフられたとこ垂直落下DDTでダウンに好きすぎて別れた(希望的妄想)男から「捨てた女」フライングニールキックとか追い打ちが来た、つーことかナイスタッグ!!!


・・・やべえ俺殺されるかもしれん・・・本編で命捨てて俺を助けた女がパク編で俺を殺しに来る・・・



もう大地には絶対に降りない。



・・・え?深く傷ついて自殺するかも??




そうだな。


我々は人としてそういう優しさを絶対に忘れてはいけない。


たとえ・・・


つーか今俺がペコペコ謝ればよくね?

あいつらが謝罪つったら家の・・・あ、家とユニオンて感じになんのか。

個人に謝罪したら大量虐殺と紛争原始政治が必要になる家格になっちまったからな・・・騎士家のままだけど。


家の利権と戦力がもはや騎士家に相応しからざる大きさにまで肥大しているのを確認したとき、母親がなぜこの希望選士ガムダルシリーズの情報をやけに細かく墨の隅までほじるように聞き出していたワケがわかった。恐ろしいぜ・・・


ダナーンズが最終的に凋落すると知った母はレイジをツテにハムロへ近づきダナンへの浸透とツナギを餌にリーゼ産業と軍事へと食い込んだ。


メレッセ家参入閥のイノセン各家からはかなり嫌われたようだが、俺のアニメうろ覚え語りから抜き出した情報を観測と沢山の頭脳による検討を駆使して精査し、家の力の限りの確度を高めた予測として立て、紛争やテロ、大地の気象変動や宇宙の電磁的災害から何気なく敵対家のトップを安全域へ誘導してやると、全てが黙した。


エゲツねえ・・・しかも度胸もハンパ無い。


俺らが明日の行動を常に決めているように、人の世には常に予定があるのだ。


イレギュラーという穴に対しての備えは当然あるが、その穴をホイホイ避けてゆく人間がいれば。


・・・しかも、自分が落ちる前に寸前で止められたら・・・


そう、救われるではなく『あら、あなた鼻毛出てますわよ・・・失礼、ヒゲでしたわ(爆笑)』など突然の理不尽な無礼に惑い、あるいは怒り足を止めた途端、前方に穴が空く。


驚き向き直る相手に母は言うのだ。


『まぁ・・・これは難しいですわ・・・化粧役メイクさんを罰せばよいのか、それとも賞せば良いのか。・・・フフ、わたくし達ってこんなつまらない悩みばかり増えてゆきますわね』


うーん灰色の魔女。

てんびん座の最上級聖衣を羽織って欲しい。


俺がやったら「ほーんwラッキーじゃんおっさん・・・俺のお陰だな(ニヤリ」とかやって正体不明の異物として当日キルされること間違いなしよ。

奴らの恩とか貸し借りておれら一般人とはかなり別んとこにあるからな・・・



それは兎も角、実家にはガムダルシリーズのストーリーボード、キャラクター相関図、政治のパワーバランスとその流れを常に現実のあらゆる事象と相対検討し続けるブラックボックス的なセクションが存在し、そこは今この時点においても闇の蠢動を続けているのだ・・・



「使者の回収を完了。これより帰投する」


「B了解」


「・・・Aは、ジュリアン!中尉!」


・・・え?俺いまナニしてんだっけ・・・はっ?!


「アルファりょーかい!寝てたは」


「はー、ジュリアンも来てたんだ」


ハマミから今更すぎる相槌。


「なんだよ、ブリーフィングいただろ」


「マシューせんぱいと見つめ合って忘れちゃったわー・・・それより親書!あたし殺せとか書いてあったんだけど!ひどくない!?」


「ああ、あるかもな~とは思ってたけど?つか俺なんて脱糞写真撮られてソレネタにおまえ生還の協力を脅迫されたんだけど・・・こっちのが悲惨だろ」


「ええ・・・すごいソソる・・・」


人質プレイティッシュ山盛り奴とくっつくべきだったのでは、と何度目かの煩悶。


「督戦部のやつらがもってるから言やあ見せてくれんじゃね」


「おもろかったらエンリカにも送ろっと」


「あえて止めん」



鮎崎ィイイイイイイ!!!!!!!・・・・・などというイベントが起こることも無く俺らは無事ダグザに帰還したのであった。



つーかダグザヌアザで殴り合って消滅してんじゃねと心配してたがフツーに着艦誘導ランディングで戻って整備隊へ渡し機乗レポート書いて作戦室へ入る。


バショク大佐が縄打たれて正座してた。


「は?」


「は?」


おれとハマミの吃驚声。


マチス少佐が立ち上がる。


「ジュリアン中尉。あらため、我が主マイロード。ご裁断下さい」


なんかちょっとワイロードて聞こえた・・・ワイがしてええんかwww


「ん・・・あ!だから少尉だろ、なんで中尉?」


ハマミが前に割り込む。


「どーでもいいでしょ、つーかあたしに仕切らせてよ!コレ!!」


破れたやつをテープでつないだ某親書?を正座中の大佐の目前で振りまくっている。


あーいいーんじゃないっすかね~~て手でシッシッ、と振る。

マチスもパイセンももーお前の犬だよ、わんこ。


ハマミは正座中の大佐の腿に座ると、その顔を覗き込む。


「大佐・・・あたしのこと嫌いなんですか?」


ふるふると声をビブラせやがって・・・テイミングする気か。

でも大佐は無理だぜ。


「うむ、別に嫌いではないが・・・バルフィンド中尉がいるではないか」


「大佐は別腹です!あなたにはルフィには無い男の才能があるの」


俺も今世で酒が飲めるようになって初めて別腹というものの実態を知った。

うんこの臭いをかぎ続けると匂いを感じなくなるのと同じ、脳の一部の麻痺と迷走だ。


つーかおまえルフィの前でナニ言ってんのよ・・・ルフィを向く。


困ったヤツめ、というカオで痛痒で言えばなんとなく酒が抜けて無いというレベルだろうか。


帰投中にアメリアへバトルレコーダーのルフィの活躍を送ったらめたくそ喜んでる返しが来たし、まぁこいつもやることはヤッてんのか。


誠実という言葉は宇宙世紀では失われてしまったのか?ジョエルよ、時代はさして動いてはいないぞ・・・


「才能、か・・・・・」


バショク大佐の目がハマミの胸に落ちる。


途端、全てを察したハマミの目に涙が貯まる。・・・後頭部しか見えんけど。



「そんな・・・大佐・・・」



「縄をうたれようと、男としての矜持は曲げられん・・・中尉。いや、ハマミよ。済まぬ」


世が世ならタブーとされる、切り捨ての一言。


大佐、奴も侍であったか・・・


バショクはハマミを切ったのでは無い。




―――――心の中に俺を残すな。




ハマミの心の中の、バショク自身を斬ったのだ・・・




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鉄板演出(心のアレ切った系)の安い流用(10円くらい?)で壮大な伏線を回収!このやり切った感!!!!!

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