続・翼の涙〜HSPがADHDを連れて帰ってきた

柚子川 明

まえがき

 お久しぶりです、柚子川です。

 前作『ディープレッドは翼の涙』が完結してしばらく経ちますが、私はあれからも元気に仕事に埋もれています。

 新型コロナウイルスにも、幸いまだ感染していません。


 出向していた会社での仕事を辞め、完全に家での仕事にシフトしました。

 新型コロナが少し落ち着いたとはいえ、まだ警戒心が強かった私たちは外に遊びに行くことも外食することも一切せず、いよいよ東京にいる意味がなくなってしまいました。

 それでも夫婦2人とうさぎ1匹、仲良く暮らしていましたが、2022年5月、最愛のうさぎが亡くなりました。

 12歳だったので大往生です。


 そうなると、本当に、本当に、今ここにいる意味を問うようになりました。


 悲しみに暮れ、ペットロスから軽い鬱状態を再発し、不眠で通っていた精神科で相談して服薬を開始した頃、父の正男からLINEがきました。

「一度リフレッシュで、北海道に遊びにおいで」

 弱っていた私はこの言葉がとても嬉しく、騎佑を誘って実家に遊びに行くことにしました。

 それが2022年の夏の話です。


 東京の霞んだ空気の中、狭いマンションで窮屈に過ごして仕事をこなし、新型コロナの脅威に怯えながら暮らしていた私たちは1ヶ月の休みを取り、北海道大旅行をしました。


 父、正男と母、和代がとてもよくしてくれて、楽しい楽しい1ヶ月間を過ごした私たちはすっかり元気になりました。

 実家に到着する前は、

「将来は函館か旭川に住もうか」

 なんて言っていたのに、1ヶ月実家で過ごし終えた頃には

「釧路に住もうか」

 と言っていました。

 正男は、

「家を買うまでここに住んでもいいよ」

 と、また甘い言葉をかけました。


 とにかく窮屈なマンションと東京の空気から離れられるのなら、早いうちに引っ越そうということになり、2022年12月、HSPの私とADHDの騎佑は北海道釧路市に転入しました。

 きっと夏のように、正男・和代とも仲良く楽しく過ごせると、この時は思っていました。


 ところが、両親は私の心を狂わせる毒親だったのです。

 15年離れて暮らしていたのですっかり忘れていました。

 私が引っ越す前に思い出すべきでした。

 そのせいで騎佑には大変な思いをさせてしまって申し訳ないです。


 HSPとADHDが、あの猛毒を喰らって平気なわけがないのです。


 実家に移ってから、滅多に喧嘩をしなかった私たちに喧嘩が増えました。

 その度にストレスがMAX以上に振り切ってしまい、理性を保たないとまた自傷行為をしてしまいそうになります(今のところ大丈夫です)。

 喧嘩が増えたことや、意地悪猛毒を喰らっていることは、眠剤を貰いに再度通っている精神科で話を聞いてもらうことしかできないけれど、私の両親がこういう人だと昔から話していたので、すぐに察してくれました。


 私は当時の和代が

「あの先生は信用できない」

 と言ったこともしっかり覚えています。

 ……いや、思い出しました。

 正男も正男で私を精神科に行かせないよう、眠剤は内科で貰えるアピールがすごかったですが、それに負けじと精神科に通っています。


 このエッセイでは、私たちがぶち当たっている意地悪の壁を全て曝け出していきたいと思います。

「どうかしてるぜ」と笑って読んでいただけると幸いです。



 2023年8月21日

 柚子川明

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