とよやま病院TS科

しいず

TS病

カルテ0「後天性性転換症候群 」通称TS病について

この文書は2024年現在のものである。

後天性に性別が変わる謎の病気が最初に報告されたのは1990年。

同年4月12日午前12時頃、アメリカ某州の男性が意識を喪失し、救急搬送される。

その男性の症状は身体が急激に女性化してく謎の症状で、急激な身体の変化で

意識を失ったと見らる。

治療方法がわからず、気道確保、酸素吸入、輸液以外に対処方法がなく

医師は経過観察するほかなかったが、男性は2週間後に死亡。

ただし、身体は外見だけでなく性器や染色体も完全に女性へに変わっていた。


この報告後、同年にイギリス、フランス、ソ連、日本から報告される。

どれ症例も患者は全て男性あり、全員死亡。

症状はすべて急激な女性化あるが、搬送時には意識喪失。

原因は不明であるが、当時の仮説として急激な全身症状によって起こる炎症と免疫の暴走、痛みに耐えられず、意識が喪失するとみられるたが、ステロイドパルス療法により

緩解したため、この説は現在一般的となっている。


ステロイドパルス療法は副作用の問題があるが、現時点では炎症を抑える他の方法がなく

早期のステロイドの大量投与により、早期緩解、後遺症の低減、死亡率の大幅減と

治療成績の大幅に向上しており、現時点では死亡率は初期の80%から10%と大幅に

減っているが、他の疾患と比べて死亡率が高いのはいまだ問題である。


当初は男性のみに起こると思われたが、その後女性が男性になる症例も報告され

男性特有でないと判明しする。

罹患者の割合は男性52%、女性48%と男性の方がやや多いが性別での違いはないとみられる。


1990年から2019年12月31日までの症例数は国内では352例、全世界で2211例と

症例が少ない疾患であり、専門医もいないの状況あった。

しかし、2020年より、症例が急激に増加。

東京都での報告では1か月で390例と29年間の症例数を1か月で超える事態に。

その後、全国での報告が相次ぎ1か月に3000例と国内だけで全世界の症例数を超え

世界でも同様に急激な増加がみられたが

TS病自体の発症原因が不明な上、治療経験が少ないため死亡率が一時は当初の80%に迫る高値となった。

しかし、ステロイドパルス療法によって死亡率が減少したものの

緩解後は意図しない性別の変化による、精神的ショック、不安定による自殺が増加。

このため、緩解後の精神的ケアや場合によってはやむえず拘束を行い

精神的な安定をさせるのが非常に重要である。

なお、2020年1年間の報告数は国内で5万6043例、世界で100万342例と100万例を突破したが

中国とインドの症例が激増した為であるが、2021年はこれ更に上回るペースで報告されており

この報告を書いている2021年現在、既に2020年の報告数の5倍の数が報告されている。


TS病の病態はある程度分かってきたが完全に解明されず、原因も不明である。

患者の遺伝子調査では性染色体が変化している事が確認されているが

何故後天的にに変化するのかが不明である。

また、1度TS病を発症したのちに再発した例は現在のところない。


原因は解明されていないが、何らかの形でiPS細胞と同様のリセットが起こり

多機能幹細胞に変化していると考えられてたが、遺伝子の運び屋となるウィルスが

複数発見されている。

しかし、体内での遺伝子の変化が同の様になているかはわからず

急性期は危険の状態なため、詳しい検査ができない。

患者から抜け落ちた髪の毛の遺伝子を調べた所、髪の毛は急性期以前に

遺伝子の変化が終わって可能性があると予想された。


それを示すかのように患者の証言では全身症状が起こる前に、肌質や

髪質の変化に気づいている。

しかし、肌の質の変化で病的な症状ではないため、異常と思わず

患者が来院するのはかかなり難しいと思われるが、肌質や髪質の変化が

早期期発見が可能になると思われる。

問題は早期発見が出来ても症状を抑える方法がないため対処できるかは不明である。

しかし、早期発見をする事によって、患者の予後の改善や社会復帰を早期にする事が可能になり

病態がわかる事により研究がすすむもと考えらえる。

また、特有のマーカーが発見できれば、血液検査で判明できるが

現在候補となるマーカーが発見されており、今後は血液検査で

早期診断が可能となると思われる。


性器の変化は不完全の症例もあり、男女両方の外性器、性腺を持つ症例が

全体の30%ほどあるが、外見は全て変化した性になっており非常に苦慮する問題である。

元の性の性腺は機能していない例が多いため、変化した性に合わせるようにする

例が全体の95%であるが、患者の強い意志で前の性別に戻すが患者が望む結果が

ほぼないため、医師と患者間で大きな問題になっている。

また、2%ほど男女のの性腺と性器を有した状態を望み治療をしない例もある。

そのため、治療するかどうかも患者の意思を優先するが、未成年に好発するので

未成年者が自らの意思で判断できるかは非常に難しい問題あり

保護者も決めかねる問題なので、結論は早期に出さず場合によっては成人になるまで

保留する事も重要である。


両性状態の生殖機能については、妊娠出産は可能であり、子供を設ける事も可能である。

ただし、両性具有状態では元の性の性腺は機能してなていないが

両性の生殖機能を持った例は世界で1万例ほど報告されてはいる。

男性から女性では、無精子であるが射精自体は可能である。

女性から男性の場合、全症例、月経はあるが不順である事が多く

妊娠した例は現在の所報告されていないが、精子の量はやや少ないが

子供を望んだ例ではすべて子供を設けいる。

そのため、不妊率は低いが、不妊となった例は全体の5%ほどである。

また、完全に性別が変わった場合はの不妊率の具体的数字はないが

通常の不妊率と同じであると思われる。

不妊の例としては子宮の未成熟、発育不足が最も多く、次は無精子、精子量が少ないである。


完全な両性状態では妊娠例は4342例が報告されている。

出産人数は1人が30%、2人が59%、3人が10%、4人以上が1%となっている。

一方、精子による自然妊娠125例と数ない。

体外受精や人工授精を含めると4202例と妊娠例と同等である。

両性状態では精子量が少ない、または無精子であるが無精子の割合は全体の

30%で70%は精子量が少ない。

また、精子の活動も低いため、これが自然妊娠を難しくしている。


病名については議論の結果

「後天性性転換症候群 Aquired sex change syndrome (ASS)」

と名付けられた。

医療体制としては専門医の育成、病態や原因の研究の促進を行う。


法的な部分では、性別が変わった場合、裁判所を通さず診断書を提出すれば

改名及び性別の変更を行う事が可能になった。

また、治療費の補助も一部行う他、感染はしない等の病気の理解にも努める。

患者の社会的立場が変わる事による精神的ケアや就学、就職、就職支援を行う。

しかし、現実は差別、偏見が多く、本人が望まない性別の変化により

精神的な不安を完全に払しょくするのも難しく、自殺や反社会的

行動が多くなり、治安への影響も不安視さえている。

医療面だけでなく社会的観点からも精神面のケアは今後も大きな問題になると思われる。

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