第37話 大型企画?

「クバリのアニキ、動画の再生数が少し増えているでごわすよ!」


「おおっ、そうか! 成果が出て来たか!」


 うれしいな!


「ふむ、どうやら良い流れが来ているようざますね!」


「そうなんですか?」


「そうざますよ! というわけで、次の配信は大型企画をやるざます!!」


「大型企画!? なんですか、それは!?」


「『でかでかパイパイパイパイパイパイ』と『人生やり直しゲーム』の、クリア耐久をするざます!!」


「クリア耐久!? ゲームをクリアするまで配信し続けるアレですか!?」


「その通りざます!!」


「ハイテー、あの二本はクリアするのに何時間かかるんだ!?」


「でかでかパイパイパイパイパイパイは、前のように選択肢を全部選んでいると、何日もかかると思うでごわす」


「ええっ!?」


「ただ、攻略対象をひとりに絞れば、数時間くらいでクリアできると思うでごわすよ」


「そうなのか。じゃあ、人生やり直しゲームの方は?」


「それはサイコロ次第でごわすね」


「そうか……」


「なら、問題ないざますね! クバリ、やるざます!!」


「何言っているんですか!? 問題ありますよ!? 仕事に支障が出る可能性があるので、お断りいたします!!」


「甘ったれるなざます! チャンスは逃すなざます!!」


「いや、無理ですって!」


「ああ、クバリのせいで地球人たちがブヒャウマになってしまうざます!!」


「やめてくださいよ!?」


「なら、やるざます! 決定ざます!!」


「ええっ!?」


「やらないとアレ味の聖水を飲ませるざますよ!!」


「ひどすぎ!?」


「それじゃあ、私ちゃんは帰るざます! 楽しみにしているざますよ! サバをビュッフェスタイルで提供する方式ざます!!」


「サババー!?」



「クバリのアニキ、どうするでごわすか?」


「アレ味の聖水は飲みたくないからやるしかないだろ」


「何時からやるでごわすか?」


「今週は土日が休みだから、土曜日の朝からやるか」


「了解でごわす。クリア耐久をすると、サムネイルに書いておくでごわすよ」


「ああ、頼むよ」



 土曜日の朝。


「クバリのアニキ、軽食と飲み物の準備ができたでごわす」


「よし、これで準備完了だな!」


 今回も、いつもの四人が見に来ているみたいだ。


 それじゃあ、始めるか。



 アバターが画面中央に表示された。


 その直後に爆発させた。


 コメント

 g_g:現れた瞬間に爆発しただと!?

 g_to:挨拶前爆発!?

 g_eye:いや、これは挨拶爆発か!?

 g_e_h:挨拶に爆発www


「当チャンネルにお越しいただきありがとうございます。水入利みずいりシヴィです。よろしくお願いします」


 コメント

 g_g:誰もいないのに声が!?

 g_to:ホラーやめろ!?

 g_eye:さっさと出て来い!

 g_e_h:いきなりホラーwww



 アバターを元に戻した。


「では、今回はサムネイルに書いてある通り、でかでかパイパイパイパイパイパイと人生やり直しゲームの、クリア耐久をやりたいと思います!」


 コメント

 g_g:全然進めなかったのに正気か!?

 g_to:本当にやるのか!?

 g_eye:無謀だとは思うが、やるというなら応援するぞ!

 g_e_h:がんばれよ!


「本当にやりますよ! 応援ありがとうございます! では、始めていきます! まずはでかでかパイパイパイパイパイパイからやっていきます!」


 ゲームを起動させた。


 そして、キャラクターを作った。


「さあ、ゆけ、額乱がくらん機照蔵きてるぞう85世!!!」


 コメント

 g_g:またきてるぞうなのかwww

 g_to:85世www

 g_eye:がんばれよ、85世!

 g_e_h:いい加減、恋愛してくれよwww



 入学式とホームルームが終わり、選択肢が出た。


「はい、では、恋愛シミュレーションなのに、誰にも話しかけずに帰りましょう! 恋愛シミュレーションなのにっ!!」


 コメント

 g_g:草

 g_to:草

 g_eye:草

 g_e_h:草


 『やっぱり話しかけずに帰る』を選択した。


「ああ、なんかいきなり会話するのが面倒になってきたな。帰るか」


 ウィンドウに『俺は家に帰った』と表示された。



 いきなり『チューリップ柄のアルマジロの上に乗ったチューリップ柄の鶏』が現れた。


「やあ、諸君っ!!!!!! 『でかでかパイパイパイパイパイパイ』は楽しめているかなっ!?」


 チューリップ柄の鶏が、そう言った。

 ウィンドウにも、そう表示された。


「全然楽しめてねぇよっ!? 成敗されただけだぞっ!?」


 コメント

 g_g:見ている方は楽しめているぞwwwww

 g_to:ああ、楽しめているぞwwwww

 g_eye:確かに成敗されっぷりは楽しめているなwwwww

 g_e_h:まったくだなwwwww


「好みのでかパイはいたかなっ!?」


「そんなのいねぇよっ!!」


 コメント

 g_g:草

 g_to:草

 g_eye:草

 g_e_h:草


「でかパイぞろいで目移りするのは分かるが、浮気者は成敗されるぞっ!!!!! 気を付けようなっ!!!!!」


「浮気してなくても成敗されまくったよっ!!」


 コメント

 g_g:草

 g_to:草

 g_eye:草

 g_e_h:草



「ここからの操作法は、これだっ!!!!!!!!!!!!!!! 健闘を祈るっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 操作法が表示された。


「ふむ、どうやらステータスを上げつつ、学校生活をしていくみたいですね」


 『学力:0 運動:0 容姿:0 芸術:0 健康:100 性格:0 財力:0』


 いまは、このようなステータスになっている。


 コメント

 g_g:健康以外全部0だと!?

 g_to:だから、成敗されたのか!?

 g_eye:ひどい話だwww

 g_e_h:もっとがんばれよ、きてるぞうwww

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