第24話 入学式を突破せよ!

 よし、配信の準備完了と。


 今日は何人来ているかな?


 また四人か……


 では、始めるとするか。



 アバターが画面中央に表示された。


「当チャンネルにお越しいただきありがとうございます。水入利みずいりシヴィです。よろしくお願いします」


 コメント

 g_g:始まった!

 g_to:いつものくるか?

 g_eye:爆発挨拶か?

 g_e_h:今回もやるのか?


 今日は違ったことをやってやるぞ!!


 ゆけ、ウサギ耳!!


 シヴィに付いているウサギ耳を上に飛ばした。


 コメント

 g_g:耳が飛んだ!?

 g_to:なんでだ!?

 g_eye:なんか意味あるのか!?

 g_e_h:なさそうw


 そして、いつものだ!


 アバターを爆発させた。


 コメント

 g_g:爆発もしただと!?

 g_to:いつもより豪華!

 g_eye:豪華なのか?

 g_e_h:豪華と言えば豪華なんじゃないか?



 アバターを元に戻した。


「今回は『でかでかパイパイパイパイパイパイ』の続きをやっていきます!」


 コメント

 g_g:いつも通り何事もなかったかのように始まるwww

 g_to:豪華だけど、ここはいつも通りwww


「今日こそ入学式の日を突破できるのでしょうか!? お楽しみに!」


 コメント

 g_g:※このゲームは恋愛シミュレーションです

 g_to:恋愛できない恋愛シミュレーションwww

 g_eye:成敗されまくる恋愛シミュレーションwww

 g_e_h:前回は成敗されただけのシミュレーションwww


「では、始めます! さあ、ゆくんだ、額乱がくらん機照蔵きてるぞう25世!!!」


 コメント

 g_g:またきてるぞうなのかw

 g_to:25世www

 g_eye:生きろよ、25世!

 g_e_h:がんばれ、25世!



 入学式とホームルームが終わり、以前と同じ選択肢が表示された。


「今回は一組以外の様子を見てみましょう」


 『他のクラスを見に行ってみる』を選択した。



「あっ、なんか急に他のクラスに、どんな人がいるのか気になってきた。行ってみるか」


 『一年生の他のクラスに行ってみる』

 『二年生に会いに行く』

 『三年生に会いに行く』


「上級生にも会えるみたいですね。さて、どこに行ってみましょうかね?」


 コメント

 g_to:前回は上から選んでいったから、今回は下から選んでみたら?


「良いですよ。では、一番下のものを選んでみましょう」


 『三年生に会いに行く』を選択した。



 画面に、筋骨隆々の男性のような人間の手足が生えている大きな中身の分からないパイ包み焼きのようなものが表示された。


「そこの君、一年生だな!」


 中身の分からないパイが男性のような低い声で、そう言った。

 ウィンドウにも、そう表示された。


「はい、そうですけど」


「三年の教室に、下級生が近付いてはいけない! 成敗だ!!」


 画面に『こうして俺は成敗された。 GAME OVER』と表示された。


「ええええええええええええええええええええっ!? なんだそりゃぁっ!?」


 コメント

 g_g:25世ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!

 g_to:どういうことなんだよ!?

 g_eye:訳が分からないぞ!

 g_e_h:どうしてこうなった!?


「ちょっとスタッフ、どういうこと!?」


 『マッスルコンピューター・タブレット』に、ハイテーからのメッセージが届いた。


「あっ、メッセージが来ました。ええと『三年生は受験勉強に集中するため接触禁止だよ』だそうです。ナニソレ!? 厳しすぎだろ!? ここ進学校なの!?」


 コメント

 g_eye:じゃあ、三年とは恋愛できないのか

 g_e_h:厳しい学校だな!



「では、次は二年生に会ってみましょうか。ゆけ、額乱がくらん機照蔵きてるぞう26世!!!」


 コメント

 g_g:がんばれ、26世!

 g_to:成敗されるなよ、26世!

 g_eye:今度こそ恋愛するんだぞ、26世!

 g_e_h:年上の恋人を手に入れろ、26世!



 『二年生に会いに行く』を選択した。


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!! 美しいお姉様がたくさんいるぞ!!!」


 画面には、女性のような人間の手足が生えているでかパイが表示されている。


 コメント

 g_g:やっぱりでかパイwww

 g_to:美しいのか?

 g_eye:きてるぞうにとっては美しいんだろ

 g_e_h:(食品として)美しい


「さて、誰に話しかけようかな?」


 『白いパイ?』

 『ストロベリーパイ』

 『チョコパイ』

 『レモンパイ』

 『キッシュ』

 『ミルフィーユ』

 『バナナパイ』

 『ペカンパイ』

 『やっぱり他のクラスに行く』

 『やっぱり話しかけずに帰る』


 と書かれた選択肢が表示された。


「またたくさん選択肢がありますね。まあ、とりあえず、上から選んでいきましょうか」


 『白いパイ?』を選択した。


 画面に、女性のような人間の手足が生えている大きな肉まんのようなものが表示された。


「おい、こいつパイじゃなくて、肉まんじゃないか!?」


 コメント

 g_to:確かにwww

 g_eye:これは肉まんwww

 g_g:細かいことは気にするなwww

 g_e_h:どっちも小麦粉を使っているから、パイで良いだろwww


「初めまして、俺は額乱がくらん機照蔵きてるぞう26世、よろしくな!」


「お初にお目にかかる、我は『煮苦万派位にくまんぱい肉弾戦子にくだんせんこ』である。よろしく頼むのである」


 ゲーム画面から男性のような低い声が聞こえてきた。


 コメント

 g_g:にくまんぱい・にくだんせんこwww

 g_to:こいつも声が渋いなwww

 g_eye:にくまんぱいって、なんだwww

 g_e_h:肉まんっぽいパイなのかwww


額乱がくらん殿、貴殿は肉まんパイが好きであるか?」


 『はい』

 『いいえ』

 『どちらでもない』


 と書かれた選択肢が表示された。


「またこの質問!?」


 コメント

 g_g:嫌な予感しかしないwww

 g_to:また成敗されるのか!?

 g_eye:26世、生きろ!

 g_e_h:もう逃げろ、26世!


「嫌な予感しかしませんが、とりあえず『はい』を選んでみます」


「なんと、我らを食うつもりであるな! ならば、貴様は敵である! 成敗である!!」


 画面に『こうして俺は成敗された。 GAME OVER』と表示された。


「やっぱりかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」


 コメント

 g_g:26世ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!

 g_to:26世ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!

 g_eye:26世ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!

 g_e_h:26世ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!



 その後、他のふたつも選んでみた。


 額乱がくらん機照蔵きてるぞう27世、28世が成敗された。

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