第23話 疲れていても打ち上げと反省会

「ああ、もう疲れたよ……」


 コメント

 g_g:草

 g_to:きてるぞうたちは、もっとひどい目に遭ってるけどなw

 g_eye:成敗されるよりはマシ

 g_e_h:確かにwww


「服装に文句付けられたうえに、一組全員に成敗されて、入学式の日から進めなかったって、どういうことなんだよ?」


 コメント

 g_g:草

 g_to:草

 g_eye:草

 g_e_h:草


「心が疲れたので、本日の配信は、ここまでとさせていただきます…… 続きは次回にします……」


 コメント

 g_g:お疲れ。ゆっくり休んでくれ

 g_to:休め、もう休め……

 g_eye:楽しかった

 g_e_h:続き待ってるからな


「お気遣いありがとうございます…… そして、ご視聴ありがとうございました…… では、失礼します……」


 配信を切った。



「クバリのアニキ、お疲れ様でごわす」


「ハイテーもお疲れ様。ところで、俺、あんなゲームのアイディア書いたっけ?」


「書いてあったでごわすよ」


「そうなのか……」


 昔の俺、変なこと考えすぎじゃないか!?



「クバリ、ハイテー、お疲れざます! では、いつも通り、打ち上げと反省会をするざますよ!!」


「またですか!? 今日はもう休ませてくださいよ!?」


「甘ったれるなざます! 今回もビシバシドカンチュド~ンボッカ~ンといくざますよ!!」


「物騒!? なんですか、ドカンチュド~ンボッカ~ンって!?」


「打ってる音に決まっているざましょ!!」


「いや、それは爆発している音でしょ!?」


「細かいことは気にするなざます!!」


「細かくないですよ!?」



「さあ、まずは打ち上げざます!!」


「また聖水ですか?」


「そうざますよ! 今回は、これざます!!」


 俺たちの前に、大ジョッキが現れた。


 そこには、赤茶色の液体がなみなみと入っていた。


「なんですか、これは?」


「『アップルパイミートパイプリンパイクリームスープパイニシンパイスターゲイジーパイよく分からんパイストロベリータルト聖水』ざます!! これも前のものと同じで、飲むと名前にあるものを食べた気分になる聖水ざますよ!」


「それって、配信で出て来たものじゃないですか!?」


「その通りざます! さあ、飲むざます!!」


「ええ…… なんか胃もたれしそうなんですけど……」


「そんなことはないざます! 美味しいうえに、健康にも良いざますよ!!」


「糖尿病になりそうな名前なのにですか!?」


「そんなの名前だけざます! 本当に健康に良いざます!!」


「よく分からんパイって、なんですか!?」


「それは飲んでのお楽しみざます!! さあ、早く飲むざます!!」


「はいはい、分かりましたよ……」


「では、いただきますでごわす」


 聖水を飲んだ。



「うん、美味しい」


「美味しいでごわす」


「当然ざます!」


「栄養ドリンクみたいな味のものがありましたね。なんですか、これは?」


「栄養ドリンクゼリーパイざます!」


「なんでそんなものをパイに入れたんですか!?」


「なんか健康に良さそうだからざます!!」


「ええ……」


 良くなさそうな気がするけどな。



「次は反省会ざます!!」


「今回はどうでしたか?」


「ゲームは文句なしざます! トークの方も前よりは良くなったざますよ!!」


「そうでしたか!」


 俺も少しは成長できたのかな?


 良かった良かった。


「だが、まだまだざますよ! もっともっと超もっと超超もっと精進しまくりまくるざます!!」


「もっとありすぎでしょ!? オーバートレーニングになりそうじゃないですか!?」


「甘ったれるなざます! そんなんじゃあ『超一流一級SSS級至高の配信者マスター・免許皆伝スペシャル』になれないざますよ!!」


「なんですか、その訳の分からないものは!?」


「適当なことを言っただけに決まっているざましょ!!」


「ええ……」


「とにかく、もっとがんばるざます!!」


「はいはい、分かりましたよ!」


「では、私ちゃんは帰るざます! 漂白した麻布または綿布をビュッフェスタイルで提供する方式ざます!!」


「どういうことですか!?」


「さらしバーと言いたいのではでごわす」


「さらし!?」


 なんじゃそりゃぁっ!?

 普通にさらばだと言えっての!!



「クバリのアニキ、今回の配信も切り抜き動画を作るでごわすよ」


「ああ、頼む」


 さて、俺は寝るとしようか。


 明日は仕事だしな。



 さまざまなうん〇の動画を公開していた配信者が、新作を出さなくなったと後輩が言っていた。


 ネタ切れかな?


 大変だな。


 あっ、そこはお互い様か。



 仕事を終え、帰宅した。


「おかえりでごわす、クバリのアニキ」


「ああ、ただいま、ハイテー」


「クバリのアニキ、切り抜き動画ができたでごわすよ」


「ありがとう。再生数は増えたか?」


「まったく増えてないでごわす」


「そうか。なかなかうまくいかないなぁ」


「週一回しかやってないからざますよ! もっと配信を増やすざます!!」


「仕事があるから、キツイんですって!」


「体力つけろざます! 毎日百キロくらい全力疾走するざます!!」


「無茶言わんでください!? 途中で死んでしまいますよ!?」


「なら、ウォーキングをしてみたらどうでごわすか?」


「そうだな。やってみるか」


 兼業配信者は大変だなぁ。

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