新人配信者、魔法使いになる~これで最強無双配信者になってバズりまくり成り上がりまくり?~
三国洋田
第1話 アカウント作成
新しくできた動画配信プラットフォーム?
ああ、動画投稿や配信ができるところか。
名前は『G-ScMoni』というのか。
『ジースクモニ』と読むのかな?
『G』って、なんだろう?
『スクモニ』は、スクリーンとモニターなのだろうか?
よく分からない名前だな。
まあ、そこはどうでもいいか。
ここはどんなところなのだろう?
ほう、無料で使えて、他よりもお金を稼ぎやすいのか!
良いじゃないか!
配信に興味あるから、アカウントを作成してみようかな。
アカウント作成画面が出た。
必要事項を入力と。
本名も入力しなければいけないのか。
姓:九張 フリガナ:クバリ
名:信自 フリガナ:シンジ
年齢もいるのか。
36歳と。
これで入力完了だ。
ん?
突然、画面が真っ黒になったぞ。
なんだこれは?
ま、まさか故障か!?
おいおい、勘弁してくれよ!?
おや?
画面に、白い光の球体のようなものが映ったぞ。
これはいったいなんなんだ?
「ジースクモニへようこそざます」
パソコンから音声が流れて来た。
高く美しい声だな。
これは運営からのメッセージか?
「名前はクバリざますね?」
これは入力内容を確認するためのものなのか。
なんでわざわざ読み上げるのだろうか?
画面に出せば良いだけだろうに。
「聞こえているざますか!? 返事をするざます!!」
「えっ? 返事? 音声入力なのか?」
「音声入力ではなく、対話をしているざますよ!」
「えっ!?」
「クバリ、聞こえているざますね!?」
「え、ええ、聞こえていますよ……」
「なら、さっさと返事をするざます!」
「そ、それは申し訳ありませんでした……」
「まあ、いいざます! まずは自己紹介をするざます! 私ちゃんは『ギャグの神』ざます!!」
「そ、そうなんですか……」
ここの運営は、変わった名前で活動しているんだなぁ。
「クバリは、自室にいるざますか?」
「はい、そうですよ」
「男のひとり暮らしっぽい部屋ざますね」
「まあ、その通りですからね」
「今は机に置かれたパソコンで、これを見ているみたいざますね」
「ええ、そうですよ」
「それは好都合ざます」
「どういうことですか?」
「話したいことがあるざます。長い話になるざますが、構わないざますか?」
「え、ええ、構いませんよ……」
今日は休みで、暇だったしな。
「お礼に飲み物をサービスしてやるざます。透明、黄色、茶色の聖水があるざます。どれが良いざますか?」
透明、黄色、茶色の聖水?
黄色と茶色って……
人の出口から出て来るアレっぽくて、なんか嫌だな……
「では、透明にします」
「本当に、それで良いざますか?」
「はい」
「本当の本当にざますか?」
「構いませんよ」
「本当の本当の本当にざますか?」
「それで良いですって!」
しつこいな!?
「黄色と茶色の聖水から、何を連想したざますか?」
「はぁっ!? 何を言っているんですか!? そんなのノーコメントですよ!!」
「クバリは変態ざますね!!」
「なんでそうなるんですか!?」
「では、どうぞざます」
突然、机の上に二リットルくらい入りそうなピッチャーが現れた。
透明な液体が、なみなみと入っている。
「うおおおおおっ!? な、なんだこれは!? いきなり現れたぞ!?」
画面に絵が出るだけじゃないのかよ!?
「何を驚いているざますか? 私ちゃんは神なのだから、このくらい朝飯前のヘのカッパのお茶の子さいさいさいさいざますよ」
「か、神!? それって人知を超えた存在である、あの神ですか!?」
「その通りざますよ! なんだと思っていたざますか?」
「運営の方々が、そう名乗っているだけだと思っていました」
「そんなわけないざましょ!? この神々しい私ちゃんの姿を見て、なぜそんなことを思うざますか!?」
「えっ、その、ただの白い光の球体にしか見えないんですけど……」
「はぁ、クバリは修行が足りないざますね」
「そ、そうなんですか?」
「そうざますよ!」
「そ、そうですか……」
よく分からないなぁ……
「あっ、ということは『
「その通りざますよ。いま気付いたざますか?」
「はい」
「クバリは鈍いざますね!」
「ええ……」
そこは心外だな!
普通、神だなんて思わないだろ!?
「スクモニの方は、スクリーンとモニターですよね?」
「違うざます! 『スクール水着
「なんでモニターに、そんなことしてるんですか!?」
「なんとなくざます!」
「ええっ!?」
訳が分からなさすぎるぞ!?
「ところで、クバリ、他に言うことはないざますか?」
「えっ? 特にありませんけど?」
「はぁ、クバリはまだまだざますね」
「なんでですか?」
「せっかく私ちゃんがボケたのに、ツッコミをしないなんて、本当にまだまだまだまだまだまだまだまだざますね」
まだ、言いすぎだろ!?
「これからクバリは、配信者というエンターテイナーになるざますよ。もっと面白いことができるようにならないとダメざますよ」
「うっ、確かにそうですね。精進します」
「がんばるざますよ」
「はい……」
「では、もう一回同じことを言ってあげるざます。しっかりツッコミを入れるざますよ! いくざますよ! 『私ちゃんは神なんだから、このくらい朝飯前のヘのカッパのお茶の子さいさいさいさいざますよ』」
「ええと、意味同じこと言いすぎだろ! 『さい』多すぎだろ!」
「ふむ、まあまあざますね」
「ありがとうございます」
「クバリ、聖水を飲まないざますか?」
「これ飲めるんですか?」
「飲めるざますよ。しかも、健康的になって、美容にも良くて、若返って、勝ちまくりモテまくりで、健康的になって、なんかすごいざます!」
「ウサンクサッ!? なんで健康的がふたつもあるんだ!? なんかすごいって、曖昧すぎだろ!!」
「ほう、いまのはなかなか良かったざますよ!」
「そうですか! ありがとうございます!」
「では、聖水を飲むざます」
「わ、分かりましたよ……」
大丈夫なのかな?
俺はピッチャーを手に取った。
ものすごく透明でキレイだし、変な臭いもしないな。
飲んでみるか。
俺は聖水をひと口飲んでみた。
ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!
な、なんじゃこりゃぁぁぁっ!?
すさまじく苦い!?
薬みたいな苦味だ!?
それに臭い!!
なぜか口に入れた瞬間に、腐った食品と加齢臭と汗の臭いが混ざったような悪臭がしてきたぞ!?
これはどういうことなんだ!?
「うーん、リアクションも顔芸もイマイチざますねぇ。目と鼻と口と耳から、盛大に聖水を噴き出して欲しかったざますね」
「何を言っているんですか!? そんなの人間には無理でしょ!?」
「がんばれば、なんとかなるざますよ!」
「そんなバカな!?」
がんばってどうにかなるもんじゃないだろ!?
「というか、なんでこの聖水、こんなに
「
「ええ……」
「でも、イマイチだったから、味と匂いを変えてやるざます。さあ、さっさと飲み干すざます」
「は、はぁ……」
俺はもう一度聖水を飲んでみた。
ほ、本当に味と匂いが変わっているぞ!?
ものすごく高級な緑茶みたいな感じで、とても美味しい!
適度に冷たくて、のど越しも良いから、ゴクゴク飲める!
こんなこともできるなんて、あいつは本当に神みたいだな!
聖水を全部飲んでしまった。
すると、突然ピッチャーが消えた。
これも神の力なのか?
すごすぎる……
「では、本題に入るざます」
「はい」
「実はいま、とんでもとてつも途方もなく非常にすっごくマズいことが起こっているざます!」
「そ、そんなにマズいんですか!?」
「クバリ、いまのはツッコミを入れるところざますよ!」
「本題に入ってもボケるんですか!?」
「当然ざます!!」
「真面目にやってくださいよ!?」
「ギャグの神に、真面目やシリアスを求めるなざます!!」
「ええっ!?」
そういうものなのか!?
「それで、そのマズいことって、なんなんですか?」
「それはなんと……」
「はぁ」
「なんと、なんと、なんとぉぉぉぉぉっ!!!」
「はい」
「なんと、なんと、なんと、なんと、なんと、なんと、なぁぁぁぁぁぁぁぁぁんとぉぉぉぉぉぉぉ……」
「引っ張りすぎでしょ!? 早く言ってくださいよ!!」
「いまのツッコミは、なかなかのものだったざますよ!」
「それはどうも…… って、そんなことを言っている場合ではないでしょ!? 早く教えてくださいよ!」
「仕方ないざますねぇ。なら、教えてあげるざます! なんと、いま宇宙人が地球を侵略しているざます!」
「はぁっ!? 宇宙人!?」
「だから、クバリを魔法使いにしてやるざます!!」
「魔法!? なんでそうなるんですかぁぁぁっ!!!!!」
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