水葬

小日向二歩

第1話

夏を映した紺碧は君の色。

寄せては返す漣は君の音。


綿津見は君を攫って、

返すことはなかったけれども。


ならば泡と共に歩を進めよう。

群青に、瑠璃に、深縹に沈んでいこう。


揺蕩う水面を杳として眺めれば、

肺腑がごぽりと音を立てて、


それから、全ては静穏に包まれたのでありました。

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水葬 小日向二歩 @OhinatanihO

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