幼馴染は尻軽女+α
金平糖二式
幼馴染は尻軽女
苦かった思い出も今は
そいつに告白したのは、たしか、中学の頃だったと思う。
いや、まあ――何故そんな事をしたのか、と言えば、若さゆえの勢い、と言うやつだったんだろう。
物心ついたころから一緒にいたし、認めるのは
気が付けば、あいつに寄せられる、ちらちらと周りの男から寄せられる視線が、変わってくるのも感じていたし……
そこから来る焦りと言うものも、あったのかもしれない。
ただ、まあ……当時の俺なりになけなしの勇気やら根性やらを振り絞った告白だったが、オチとしては締まらないものだった。
あっけらかんと、一日違いで、先輩にコクられでつきあうことになったからゴメン、とフラれてしまったからだ。
今だからこそ笑い話で済ませられるが……まあ当時は、かなりのショックを受けたものだ。
それを切欠に、自然と付き合いも減っていき
気が付けば、近所の多少親しい友達程度の立ち位置になっていたのは、当然の事、だったのだろう。
腐れ縁で、ずっと続くと思っていた関係も、終わりはあっけないものだった。
成績の関係で同じ高校に通いはしたが、そのころには、もうほとんど関わる事も――
いや、偶に話をすることくらいは、あったっけか?
やれ先輩が浮気して別れただの、サッカー部のキャプテンと付き合う事になっただの、それを俺に言ってどうなるんだ、と言うようなことを、何度も何度も、聞かされて、心底勘弁してくれと……苦々しく思っていたのを覚えている。
ただまあ、当時は、あいつを未だに諦めきれずに、ワンチャンあるかと思って、それに付き合っていた俺も俺だが。
ただ――進学した大学までは、流石に別の所だったので、それを機に、すっぱりと関係も切れて、会う事もなくなったのだが。
ちなみに、俺の受かった大学の方が、偏差値としては数段上だった。
いや、一流どころに受かった連中と比べれば、五十歩百歩ってとこなんだろうが。
今となっては、至極どうでもいいことだし、笑い話といえば笑い話だ。
結局の所、幼馴染といったところで……赤の他人に過ぎないのだから。
そんなあやふやな繋がりなど、切れるときはあっさりと切れるものだ。
月並みな言葉だが――あいつと俺は、縁が無かった、ということなんだろう。
その時は、本当にそう思っていた。
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