第16話 動かない指が、動く時……。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは、ほぼほぼ関係ありませんので、まあ、あんまり深くは気にしないで下さい。
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便宜上は第2章としたこれは、そのほとんどが4月8日から4月20日までの物語で、その他の部分も合わせて、1月31日から2月14日までに公開するようにしておいた。
別に、完結予定日がバレンタインデーだということには何の意図もない。
もちろん、その日におれが何ひとつもらえないということとは何の関係もなかった。本当だ。もちろん、何ももらえないという部分が。
……べ、別に、バレンタインに「完結おめでとう」とか、読者に言われたかった訳じゃ、ないんだからね!
ちょっと心の中でツンデレてみたが、おそらく何の効果もないだろう。ツンデレの需要は既に失われているに違いない。
連載中は、その副次的な効果だろうが、『リアダン』の読者が増え、ランキングに名前があるうちに、2022年の7月に公開していた『ランクル夫人』の方も読んで頂けるようになったらしく、ふたつの作品がそろって日間のトップ10に入る日もあった。いわゆる作者読みと呼ばれる現象だ。
また、そのせいか、『ランクル夫人』は10000ポイントという5ケタポイントの大台に乗り、おれとしては『ボインの伝説』、『NTR幼馴染』に続く、3作目の快挙となったのだ。
ランキングも『リアダン』は月間10位以内をキープするようになり、『小説家になったろう』の表紙のジャンル別に居座り続けた。これは露出としては大きい。ありがたいことだ。
また、コミカライズ原作を求める小説賞で、『ボインの伝説』と『リアダン』がそろって一次選考を通過したり、それとは別の小説賞で『ランクル夫人』が一次選考を通過したり、さらに別の小説賞で『ボインの伝説』が最終選考の108作品の中に生き残ったりと、公募関係でも喜ばしいことがあった。
一次選考の発表がある小説賞は実にありがたい。こういう部分で、素人作家はモチベーションを高められるのだ。
そして、2月14日には、『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、チートなし~』も完結を迎えたのだった。
第2章の完結を迎えた『リアダン』は、2023年2月16日の時点で、1918ポイント、451ブックマーク、163610PVと、ブクマが第1章の時から1.5倍くらいに増えていた。ランキングもまだ、ジャンル別月間10位をキープしていて、『小説家になったろう』の表紙に居座っている。
書き終えているのだから、どんどん投下した方がいい。おれは、第3章となる『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、トレーニングSIM~』の前編と後編の予約投稿を始めた。
ただし、第1章、第2章と違って、日付ものという点は同じでも、その日と同じ曜日に全ての話を投稿するというのは止めた。
平日は12時に1日1話、休日は6時、12時、18時に1日3話の投稿で、1週間にだいたい11話の更新ペースにした。
表紙のジャンル別ランキングに名前があれば、それなりに読んでもらえるだろうという安易な判断だった。間違っているとは思わない。
また、ここから先は、応募作ではなく、その続きとして、書きたいように書いたものだったのも、大きかった。
小説賞の一次を通過しなかった物語の続きが、『小説家になったろう』読者にどんな風に受け入れられるのか……ひょっとしたら、受け入れられないのかもしれないが、おれは『小説家になったろう』の素人作家として、諦念のような、達観のような、そんな心境に達していたのかもしれない。
そして、ここから、『リアダン』は地味な伸びを見せ、2023年の3月12日には、日間ランキングの1位に入った。
おれの中には以前ほどのランキングへのこだわりはなかったが、それでもこの結果は嬉しかった。ランキング上位にこだわることと、ランキング上位を喜ぶことは別なのだ。
その一方で、『リアダン』の第4章となる『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、マネジメントSIM~』のその1とその2までは書き上げていたものの、その3はなかなか指が動かず、その先の物語は遅々として進まない状況にあるままだった。
書きたいもの、であるはずなのに、書き進められない。おれは、素人小説家としての新たな壁にぶち当たっていたのだ。
いつものように、読専へと変身して、他の『小説家になったろう』作家たちのランキング作品をひたすら読み漁っていく。
そうしていると、おれも読むのは好きな異世界恋愛の「婚約破棄-ざまあ」なのだが、どうしてこのテンプレというものは、そろいもそろって、王子が浮気相手の証言だけで婚約者を断罪しようとするのだろうか、と。
こんなアホな王子が、王家で生き残れるんだろうか? 王族としてやっていけるんだろうか?
そんな疑問が湧いた時、『リアダン』の続きでは固まったままで動かなかったおれの指が、動いた。
それは、久しぶりの感覚だった。
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