第8話 短編で意欲を高め、ついに、公募にチャレンジする! しかし、連載の方は……。



 この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは、ほぼほぼ関係ありませんので、まあ、あんまり深くは気にしないで下さい。


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 新作短編『千年も恋は続かない ~すれ違い幼馴染の不仕合せな結論~』は、両片思いの幼馴染が互いに告白できずにいて、そこで別の男子が告白し、それを幼馴染が受けてしまう。その数日後に主人公は幼馴染に告白して……もう遅い、の状態へ。


 なんとか『なったろう』的な要素を含むように考え抜いたのだ。幼馴染、すれ違い、もう遅い、など。


 そして、二人のすれ違いによる行動は、周囲を苛立たせ、幼馴染がその悪意で傷つけられ……バッドエンドに……。


「本当はハッピーエンドがいいんだろうけど、おれの人生経験だとバッドエンドしかねぇ……」


 あと、今までの失恋経験による女の子への恨み辛み的な何かも。


 誰にも聞こえないその心のつぶやきが全てだった。


 これがおれには初の短編投稿だった。


 この作品が、驚くほどに読まれ、評価された。ポイントがぐんぐん伸びて、PVも伸びる。


 公開初日から1186アクセスを記録。2日目に3810アクセス、3日目に最大値となる4003アクセスまで到達し、5日目までは4ケタのアクセスが続いた。

 現実世界恋愛での長編で2ケタアクセスに苦しんでいたおれはこの成果に目を見開いていた。


「マジか……短編、すげぇな……めちゃくちゃ読まれとるわ……」


 バッドエンドなこと、主人公が頑固なことなどから、感想欄では賛否両論あって、いろいろと考えさせられる。

 おれとしては、人間らしいリアリティの中にフィクションを織り込んだつもりだった。

 批判的な感想も含めて、それだけ、この短編が誰かの心を揺り動かしたのだと思うと、書いて良かったと思えるようになった。


 たった5,167文字の短編だったが、現実世界恋愛ジャンルの日間ランキングで7位に入った。


 数か月前に、『ボインの伝説』でランキング上位を目指した時の気持ちがおれの中でぶり返してきた。


「おれにも、まだできる、のか……」


 小さな炎が、再び消えかかっていた本当に小さな炎が、不死鳥のようにおれの心の中に灯った瞬間だった。






 まだやれるのかもしれない。

 小説家になるという夢をまだあきらめなくてもいいのかもしれない。


 現実世界恋愛で短編小説が日間7位。おれが自信を取り戻すにはいいきっかけだった。ただ、それで自惚れてはいけないと自分を戒める。


 そういうことを考えていたおれは、偶然、ひとつの小説賞を見つけた。『ボインの伝説』を『小説家になったろう』とコラボしている小説賞に出すために見ていたウェブサイトで、作品の一次選考通過で「評価シート」がもらえるという小説賞があったのだ。


「これ……自分の文章力とか、見てもらえるってことなんじゃ……」


 自分の力量を客観的に知るためのいい機会かもしれない。

 そう考えたおれは、この賞に応募するために、新作を書こうと決めた。


 ただし、〆切まではおよそ1カ月。ほとんど時間は残されていなかった。


 どんなものがいいか、思いついたことを黒歴史ノートであるアイデアノートに殴り書きして、構想を練っていく。

 〆切が近づき、執筆可能時間はどんどん削られていくが、限られた文字数、枚数で話を組み立てるためには、しっかりとアイデアを整理する必要があった。


「今、おれ、書く力がついてる気がする……」


 気のせいかもしれない。

 しかし、何かを目指すことは、自分を研ぎ澄ませることになるのではないかとおれは思った。






 限られた時間で集中するため、連載中の現実世界恋愛の2作品は中途半端な形になってしまい、筆が進まなくなってしまった。

 しかし、自分のために、「評価シート」なるものがほしかった。


 ネタは人気のクラス転移で、その中の主人公がチートを手にして、女の子と仲良くなる、割とスタンダードな異世界ものにラブコメを添えて。

 時間ギリギリで、おれは、『いきなりの クラス転移で Toまどいを ~チートな僕と、パニクるあの子の、異世界ラブコメ~』を40文字×32行で、80枚以上、書き上げた。


 応募締め切りに間に合い、受け付けてもらえたのでほっと一息。


 それと同時に、『なったろう』で公開するのではなく、公募に応じる形は初めてだったので、なんだか落ち着かなかった。


 また、今回の作品のためにその世界観にどっぷりと浸かってしまい、連載中の作品にはもう戻れなくなっていたのだ。


 そうして、ふたつの現実世界恋愛の連載をおれはエタらせてしまう。


「こんな感じだと……ダメだよな……」


 短時間でひとつの作品を書き上げたことでやや燃え尽き気味となったおれは、もう一度、小説を書くということを考え直すようになっていった。











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 あとがき失礼いたします。


 作中にある、


『千年も恋は続かない ~すれ違い幼馴染の不仕合せな結論~』


 につきましては、検索しても見つからないと思います。


 ただし、これとよく似た名前の、


『百年の恋も冷めるすれ違い幼馴染の地獄堕ち ~もし僕が先に告白していたら、何かが変わっていたのだろうか?~』


 につきましては、

https://kakuyomu.jp/works/16817330659010596135

 へとアクセスすれば、読むことが可能です。


 作品名はとてもよく似ていますが、この物語はフィクションですのでご注意下さい。





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