異世界redemption

@kyoumahouooin

第1話 因果応報

恥の多い一生を送って参りました。


俺の人生はこの言葉抜きには語れない。

実家の商店を大型ショッピンモールや量販店まで育てる!と

子供の頃から夢見ていた俺は、今は全然経営とは関係の無い業務で

普通自動車免許のオマケで付いてきた中型免許で

トラックを運転しながら高速道路を運転中に過去の事を回想していた。


数え切れないほどの黒歴史を刻んできた。

その一旦を紹介すると

子供の頃から乱暴者で思った事をすぐに口に出し、

クチャラーで音痴、その上事故承認欲求が強く現実を理解していない

夢想者だった俺はリサイタルと称して気の弱い同級生を狭い視聴覚室に集めて

真夏のクソ熱い時期に2時間に渡り熱唱。


熱中症で15名の救急搬送者を出した。


後に地元で語られた熱傷リサタイルである。

その外にも暴行、恐喝、脅迫など余罪は数知れない。


自己紹介が遅れたが俺は武田剛39歳

自称 元・天下無双のガキ大将だ。


俺には悩みがあった。


子供の頃は学業はからっきしのダメダメでもこの腕っぷしの強さと

根拠の無い自信で大概の事は思う通りになった。


友達も多いと思い込んでいた。

実際には気の弱い同級生たちを力で従わせていただけだった。


だからなのだろう、中学を卒業して

学友達が皆大人の階段を登り始めると皆それぞれがガキ大将で

自らをオーガ、ジャイアントと呼ばせて自分が最強だと思い込み

のぼせ上っていた自分という脅威に対して

抵抗をし始めた。


そして気が付けば俺は3年に上がる頃には

クラスで浮いている空気の読めないヤンキー崩れとして

誰からも相手をされない存在となっていた。


同級生達が高校生になる頃には

今考えればバカな選択をしたと後悔しているが、

まずは体力と財力を確保する!と息巻いて進学をせずに肉体労働に励み

空いた時間で様々なアルバイトもこなした。


経験を沢山積んで社会で活かすんだぜ!!

と思っていた。


歌が上手いと思い込んでいた俺は芸能事務所にも沢山の選考書類を送付した。

ちなみに何度か運よく面接まで運んだものの、

俺の不遜で尊大な態度と自慢の歌唱力で審査員が失神し、

不合格となった。


仕事もキレ易く飽きやすい性格が災いし、いくつもの

職場を転々とした。


そんな他人に聞かせたら5秒で嫌になる自分語りを延々と憂鬱な気分で繰り返していると、一般道への切替のタイミングに差し掛かり

俺は高速道路を下りやや広い通りの信号に差し掛かった。

道路信号標識が赤信号に切り替わり、速度を下降していく・・・はずが、

徐々に速度が上がり始めた・・・!!


「お、おおおぉおお!!?なんだ、と、止まれ!!止まれよぉおお!!!」


パニックになってわめき散らかすがトラックは止まらない。


そのままどんどん加速していき、ついには横断歩道をまるで放たれた弓矢のように

貫き、そのまま何かの商業テナントへと突っ込んで行った。

恐らく何人か弾き飛ばした。


まるで爆発が起こったかのような轟音と衝撃。


何が起こったのか理解が追い付かず、頭が真っ白になった。


「う、嘘だ、嘘だ、、こんなの、夢だ、は、早く、目を覚まさなくちゃ、

は、早く、」




事故の衝撃で怪我を負ったのか、意識が朦朧とする。

頭が熱い。

いや、足元が・・・?いや、体中が熱い気がした。

動悸と汗が止まらない。

いや、汗だと思ったそれは実際には手で拭うとドロっとして赤黒い

液体だった。


「血、、、血ぃいいい・・・!?」


そして割れたサイドミラーからは壊れたトラックの車体が

まるで苦しみの声の代わりのように

もくもくと黒煙を上げていた。


次の瞬間、ボンッ!!っと空気をハンマーで殴りつけたかのような音が鳴り

トラックに火の手が上がった。


トラックの外に脱出しようと思い、力の入らない体で身動きを取るために

身を捩るのだが、どうやら運転席の足元付近が潰れているのか動かない。


俺はこれだけの事をしでかしたというのに叫んだ。


「だ、誰かぁああああ!!誰か、助けてくれぇええええ!!

誰でもいい、、誰かぁ!!!」


あ、熱い!!!く、苦しいぃ!!


熱気が器官へと容赦なく侵入し、それ以上に肌を焼く業火が

思考力を奪った。


一瞬にも思えるが、永遠にも思う。

その苦しみの中でまるで煙と熱気に溺れるように気付けば俺は意識を失っていった。



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早く異世界行けよ!!前置きが長い!!と我ながら思います。

誰も読むことはないかもしれませんが、誰かの暇つぶしにでもなれば良いかなと思います。

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