第23話 覚醒
葵は体の中に熱い物が込み上げてくるのを感じていた。それは今までに感じたことが無い感覚だった。指先から出た紫色の光線は悪霊を祓う力を持っていた。
「やっと目覚めた」茜が笑っていた。向日葵も頷いていた。
「ついにお父さんを救うことが出来るのね」「茜、葵は覚醒したばかりよ」
「お母さん、茜ひとりでは奴らを食い止められない」
「それは分かっている。でも完全に覚醒していない状態で行くのは命取りよ」
「行くってどこへ。お母さんはお父さんのことを話してくれたことないよ」
「葵兄さん、お父さんには会える。でも今一緒に行かなければ一生会えないよ」
「いったいどこに行くんだ」「こことは違う世界だから異界ね。私たちに残された時間はもうあまりない。茜を信じて、一緒に来て」葵は向日葵の方を見た。
「決めるのはあなたよ」葵は一目でも父に会いたいと思っていたこと思い出した。
「茜、一緒に行くよ。そして、父さんを救い出す」茜は葵の手を取ると異形の者が現れた場所に進んで行った。
「葵、茜、必ずこの世界に戻って来て」向日葵は二人の背中に向かって叫んだ。それがとてつもない苦難の始まりであることが分かっていたが。
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