元カノに誘われた那須旅行
綾乃姫音真
1年ぶりの連絡
//SEその他
;;立ち位置
□↑のセリフに関しての演技関係
//着信音 やや長め
//ここから通話加工
「あ、もしもし? よかった~、もしかしたら出てくれないかもしれないって思ってたよ~」
「だよねー……やっぱり出るか迷ってたんだ。でも出てくれたってことは、話をしてくれるってことでいいんだよね? まさか、拒絶の言葉を言うために出たなんてことは……?」
□不安そうに
「ほっ……」
「今って時間大丈夫かな? ちょっとだけ長くなるかもしれないんだけど……」
「そう? ありがとう……なんだか懐かしいね。こうやって夜に通話するの」
「えへへ、同じ感想だね」
「それで、いきなりごめんね? ちょっと訊きたいこと……お願いしたいこと? があって連絡したんだけど……今の時期って仕事忙しいのかな?」
「そうなんだ。もう少し遅かったらアウトだったんだね。危ない危ない」
「私? 私はまだ大学3年生だから、夏休み。えへへ、良いでしょ? 羨ましい?」
「違う違う、通話を切ろうとしないで! これで終わったら、嫌がらせみたいになっちゃうじゃん」
□焦りながら
「あのぉ……私ってそんなことするタイプに思われてるの? 結構ショックなんだけど」
「もう、相変わらず意地悪なんだから」
□どこか懐かしそうに
「こらっ、お互い様とか言うなっ」
「んんっ、それで本題なんだけどね? 次の土日――正確には明後日から休みだったりするのかな?」
□ちょっと期待する感じで
「――ほっ、よかった。無駄にしないで済みそう」
「あ、そうだよね、ごめんね? これじゃ意味がわからないよね」
「実は、友達とふたりで旅行に行く予定だったんだけど、その友達が急用で実家に帰ることになって困ってたの」
「ホテルはもう予約してるし、料金もネットで先払いしちゃってて……日数的にキャンセルしても全額戻ってこないから……それで一緒に行ける人を探してるの」
「ねえ、今……私の友達が少ないって思ったでしょ? 残念だけど、大学ではちゃんと友達だって言える人結構居るからね? 高校時代とは違うからね?」
「って貴方はよく知ってるよね……色んな意味で」
□小声でボソッと
「いやいや、絶対に思ったでしょ? 誤魔化してもバレバレだからね?」
「むー……まぁいいや。それでね? もしよかったらなんだけど……」
「私と一緒に行かない? 1泊2日の那須旅行」
□緊張気味に
「言いたいことはわかるよ? なんで付き合ってた頃にも旅行なんて行かなかったのに、別れてから誘うんだって話だよね?」
「私だって自分でもどうかと思うけど……友達が全滅だった段階で他に一緒に行ける相手として貴方が浮かんじゃったんだから仕方ないじゃん」
□後半は拗ね気味に
「それで、どうかな? あ、宿泊費はさっきも言った通りもう払ってあるから、貴方は負担しなくて大丈夫」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど……」
「いきなり誘って休日に2日も付き合ってもらうのに、お金まで払ってもらうの心苦しいから今回は遠慮しとく」
「……流石元カレ。しっかりと『お金まで』って言葉の意味をしっかりと察しちゃったし」
「その通り……貴方って、車の免許持ってたよね? 1度だけ乗せてもらったこともあるし」
「はい、その通りです。車を出してもらえたりしないかなぁ~なんて期待してます」
「私……免許まだ取れてないんだよね。この夏から教習所に通い始めたけど、まだ掛かりそうで……」
「元々は一緒に行くはずだった友達が免許と車持ってるから任せる予定だったんだけど……無理になっちゃったから」
「ちなみに運転を任せっきりになっちゃう分、ホテル代はちゃんと私が多く負担してるよ? 更に1食は奢るつもりだったし」
「うっ……うん、正解。その通り……教習所のお金払った直後なんだよね……旅行のお金は前もって確保してたから大丈夫だけど……」
「……最悪ひとりで行こうにも、往復の新幹線代とか計算に入っていなかった出費が割りと痛くて」
「そんな訳で誰か車持ってる人が居ないかなって考えてたら貴方が浮かんだんだよね……」
「これでも結構勇気いったんだよ? ほぼ1年振りに連絡するの」
「だって、別れた原因……私が進学して新しく出来た友人達との時間を優先しすぎたせいだし」
「違う、私のせい。貴方は悪くない。高校出て働いてる貴方に、学生の私が時間を合わせるのが普通だと思う」
「……そして、その友達の都合がつかないから貴方に頼るって最低なことしてる自覚もある。貴重な休日を消費させちゃうし」
「……そうです、それでも旅行に行きたかったです。はい」
「どうでしょうか。私とふたりで旅行に行ってくれませんか?」
「…………」
□緊張して息を呑む
「…………ぅ」
「…………え?」
□驚きながら聞き返す
「ほんとに一緒に行ってくれるの?」
「正直、最悪の場合は2度と連絡してくるなって言われる可能性まで考えてたんだけど……」
「ふふっ、変わらないね。貴方は」
□嬉しそうに
「うんうん、ありがとう! 急に誘ったのにオッケーしてもらえて嬉しいよ!」
「それじゃあ、当日は朝の8時頃に待ち合わせでどうかな? 友達が下道で行っても1時間ちょっとくらいって行ってたから……」
「え? この辺はともかく、那須は混んでる? 裏道もお店によっては使えるか限られてるの? ……ならもうちょっと早いほうがいいのかな? うーん……」
「そうなんだ。私は朝早くても大丈夫だよ? むしろ向こうで楽しみたいから。貴方が大変じゃないならありがたいけど……」
「うん、うん。じゃあ、それでお願い。当日はよろしくね♪」
「ばいばーい♪」
□ご機嫌な感じで
//通話が切れる音
end
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます