すぐ、そばにいる。

00．プロローグ

　────霊感。

　たまに、そういった能力を持った方々がいます。幽霊や妖、妖精や精霊といった類もこの力が影響して見えているのかもしれません。

　しかしこのような出来事は経験したことがないと、とても信じられないものです。

「幻覚だ」

「まやかしだ」

「精神異常だ」

　何度も奇怪な眼で見られ、人に言ってはいけないことなんだと学んだ私は、いつしかこのような話題に限って口を閉ざすようになりました。

　ところが一方で、この手の話を面白がって聞いてくれる人もいることに気が付いたのです。

　怪談話としてなら聞き手や読み手を楽しませることができるかもしれない。もしそうだとすれば、私が体験した恐怖も不安もつらい思いも意味があったと思えます。

　ここに綴るお話は私が人生のうちに経験した不思議な体験や恐怖体験。情景や登場人物等は脚色させていただきますが、起こった出来事はそのまま書いていくので少しでも楽しんでいただければ幸いです。

それでは、貴方にも起こり得るかもしれない物語の中へどうぞお進み下さい────。