第46話 帝都



 俺達は順調に旅を続け国境に差し掛かる。

 冒険者証を見せて通してもらいまた入国手続きで冒険者証をみせる。

「よし、通っていいぞ」


 ようやく帝国内に入ったら異様な光景を見る事になった。

「何このブロック?」

「クラフト系のアプリか」

「あぁ、奇麗に整地されてるな」

 ナインクラフトなんかが有名だが、クラフト系か。

「帝国は走りやすいですね」

「ロイド、安心しすぎるなよ」

「は、はい」

 少し走っていくと街が見えてきたが、

「なんだこの街!?」

「おお!日本人かい?俺の街はどうだ?」

「いや凄いけど街なんか作って大丈夫なのか?」

「あぁ、帝王には開拓すると伝えてあるからな!」

「そりゃすごいな」

「ここで一泊するか」

「「はい」」

 千夏は寝ている。

「ほぇー、ほんとにクラフトで作ってあるね」

「頑丈だろ?だがツルハシですぐ壊れる」

「あはは、それじゃダメじゃん」

「すぐ直せるからいいのさ」

「ここが宿屋だ、じゃあな!」

「あぁ、ありがとう」

 見た目外人で日本語………ではないのだろうな。俺達も異世界の言葉を使ってるって事だろうな。

 宿屋に一泊すると言って部屋を借りる。

「千夏起きろ、着いたぞ」

「ぬ、んん、あぁ、寝ていたのか」

「爆睡だなあ」

「ここが今晩の宿だ!」

「………夢か?」

「現実だ」

「クラフト系のアプリらしいですよ」

「あぁ、それで豆腐なのか」

「それ禁句な」

「あぁ、わかった」

 とりあえず見て回るとスキル屋も合ったので探してみるがやっぱりアイテムボックス系はないと言う事だった。

「しかしカクカクしすぎてて目がおかしくなるな」

「慣れるだろ」

「僕はもう慣れましたよ、もともとナイクラはやってましたしね」

 地下に行ってダイヤとか取っているんだろうか?


「あっちに鉄の剣とか売ってたけど持てないぞあんなの」

「あー、カクカクしてますもんね」

「ここは楽しむところだな!」

「あははは、そうかもしれませんね」

 宿屋で一泊して街を出る。平坦な道は途中から普通の道に変わっていた。

「ナイクラ街道でしたね」

「だな」

 帝国まではまだかかるな。


 次の街に着いたのは夕暮れ時だ。

「入っていいぞ」

 門兵がいて普通の街のようだ。

 宿屋にいくととりあえず四人部屋を借りる。下の方ではアメリカ人だろうか?陽気に飲んでいる。


 酒場で飯を食べていると、

「おい坊主!ここはガキの来るところじゃないぞ?」

「俺はこうみえて25だぞ?」

「なんだって?日本人か?」

「そうだが?」

「あははは、俺はこう見えても日本のアニメが大好きなんだよ!」

「そうなのか」

「ハメハメハー」

「「「「あははは」」」」

 男はジョージと名乗ってこの世界のことを結構話してくれた。

 ジョージも、パズルゲームと同期したみたいだが、上手くやってるみたいだ。

「うまくやればドロップでこうやって酒が飲めるってわけだよ」

「そうみたいだな」

 それから帝国にはいまナイトオブラウンドと言うゲームと同期したやつがいるみたいでなかなか強いらしい。

 ジョージは自国と異世界で楽しくやってるらしいので、かっこいい武器を譲ってやったら、喜んでいた。

「ジャパニーズサムライ!せい!」

「「「「あははは」」」」

 ジョージのおかげで楽しく酒を飲むことができた。

 

 帝国に向けて走る馬車を車が追い越していく?どうやらレースゲームと同期させてる奴らがいるみたいだ。凄いスピードだがぶつかったら、死ぬぞ。


 国が変わればここまで変わるんだな。

 帝国にもダンジョンがあるらしいがどうなんだ?

 ジョージは普通のダンジョンと言っていたが普通のダンジョンって、意味がわからないのだが。


 ようやく周りを取り囲む城壁が見えてきた。あれが帝都か。


 馬車で街の中に入るといろんな人種がいた。黒人、白人はもちろん獣人、エルフ、竜人なんかだ。


「よう坊や、死にたくなかったら金だしな?」

「なにかようか?」

 剣を喉元に突きつけると。

「ひあぁぁぁだだ」

 と逃げていく。

 みんな見て見ぬ振りが上手いな。ここらは無法地帯か?

「お!あれ美味そうだな!」

「あ、おい!はぐれるなよ!」

 千夏の手を握り引っ張る。

「なんだよ、迷子にならないって!」

「だめだ!おまえはまず迷子になる!」


 とりあえず宿屋に向かう事にする。

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