第6話 はやくない?
さて、レベルも15に上がったし新しいスキルも覚えた。
そろそろ周りの奴らでレベルを上げていきたいところだな。
…とまぁ、その前に上がったレベルとかも合わせてステータスの確認をしておくとしようか。
名前:なし
種族:スケルトン・ウォリアー
Lv:15
HP:220/220
MP:0/0
STR:70
VIT:70
INT:0
MIN:1
AGL:60
LUK:40
ユニークスキル:【傲慢】
スキル:【アイテムボックス】【鑑定】【言語理解】【成長加速】【思考加速】【剣術】【看破】【体術】
称号:【元異世界人】【知恵を持つ魔物】【幸運者】【同族殺し】【見破りし者】
よし、ここまで上がっていればこの階の魔物にはまず負けることはない。
というか、【傲慢】の効果でさらに2倍になるし負けるわけがない。
相手のレベルが私より上だとわからないが、それでも実質Lv30な私のステータスならそうそう負けはないだろう。
それに加え【体術】も手に入れたから、今までより安定感も上がった。
これなら上の階に行っても良いんじゃないかとも思える。
とはいえまだこの階も全て見回れていないし、もう暫くはここにいるとしよう。
…さて、近くに居る魔物で【体術】の確認だけしておこうかな。
どの程度体術で戦えるようになったのか見ておこう。というわけで剣をしまう。
そこまで考えて、足元に転がっている石を拾う。
そのまま手を振りかぶり、運よく数m先に居るスケルトン・ウォリアーにぶつける。
それによって相手が気づき、こちらを向く。
少々緊張するが、とりあえず前世の空手を思い出しつつ拳を構えると、相手は特に何の警戒もなく歩いてくる。
そのまま右手を振り上げて殴ろうとしてくるので左手で受け止めつつ、こちらの右手で相手の顎をぶん殴る。
ステータス的にも大分余裕があったことも合わせ、そのまま顎を粉砕。
流石に効いたのか、相手がふらついたので左手で掴んでいた手を思い切り引き寄せつつ、左足で思い切り相手の腹を蹴りK.O…勝利した。
《レベルが16に上がりました》
…思ったよりあっけなく終わったな。
これなら、もしかすると格上相手も行けるのでは?
…まぁ、いい。ひとまずはこの階の探索だ。
そう考えつつ、【アイテムボックス】から出した剣を片手に歩みを進める。
そんなこんなで1時間後。
私は、なにやら大きい扉の前にいた。
これは、ボス部屋的なアレか?アレなのか?
…格上相手にも一矢報えそうなステータス、体術に剣術…よし、行くか。
そう考えつつ扉を押し開け中に入る。
すると、中には何もない。
ボスらしき魔物すら見当たらない。
不思議に思い、さらに中に入る。
それと同時、後ろで扉が閉じる音が聞こえる。
振り向いた時には時すでに遅く、扉は閉まりきっていた。
急いで扉に向かい、開けようと試みる。
ただ押すだけでは全く開かない。
仕方ないからと思い切り蹴り飛ばしてみるが、それでもビクともしない扉。
このままこの部屋で立ち往生なんてわけには…これは一体、どうすればいいんだ?
ぴたりと閉じた扉の前で頭を抱えていると、背後で何かが動く音。
再度、急いで振り返る。
するとさきほどまでいなかったはずのスケルトンやスケルトン・ウォリアーたちが所狭しと出現していた。
これは…もしかしてモンスターハウスというやつなのでは?
もしそうであれば、ここの魔物を全滅させないと部屋から出られないとかいうパターンなんだろうか?
非常に面倒なので、できれば今すぐ逃げ出したいところだ。
だが生憎と、扉は閉まったまま。やるしかなさそうだ。
仕方ない。他に思いつくこともないし、こいつらを全て片付けるとしよう。
幸いスケルトンからのダメージは受けないし、現状同格であるスケルトン・ウォリアーも、【傲慢】さえあれば簡単に倒せる程度のステータス。
量より質だということを、こいつらの体に刻みこんでやるとしよう。
さて、まずは近くにいたスケルトンたちを剣で薙ぎ払い一掃。
そのままそれを何度か繰り返し、周囲の雑魚はかなり減少した。
…さて、残りはほとんどがスケルトン・ウォリアーで、それも10体程度。
とはいえ剣を振るって万が一止められでもしたら面倒だし、ここはいっそ素手で身軽にした方が良いんじゃないだろうか。そう考え、剣をしまう。
それと同時に近くのウォリアーに突進。
当たる寸前に方向転換し、右ひじで対象の頭蓋骨を壊す。
どうやらこいつらは頭蓋骨が弱点らしく、そこを壊してやると動かなくなるのだ。
つまり私も頭蓋骨を壊されると死ぬということ。
頭上の攻撃には気を付けなければ。
《レベルが17に上がりました》
レベルアップの声にほくそえみつつ、ひじ打ちの時に体が回ったのを利用し、そのまま背後の敵を足で蹴り飛ばして2体目撃破。
しかし、倒した隙をついて後ろの3体目がそのまま羽交い絞めにしてこようとしたので、振り向きつつ裏拳を食らわせてやる。
たまたま弱点にクリーンヒット。
《レベルが18に上がりました》
そのまま隣にいる敵に一撃入れて4体目。
《レベルが19に上がりました》
残りの6体は少し遠くにいたので周りのスケルトンを蹴散らしつつ近づいていく。
近くまで来たので、飛び蹴りを食らわせて並んでいた2体を撃破。
《レベルが20に上がりました》
《レベルが21に上がりました》
これで6体。無防備に近づいてきたやつを3体サクッと処理してさらに9体。
《レベルが22に上がりました》
《レベルが23に上がりました》
《レベルが24に上がりました》
これで残り1体。
そこまで倒して、ふと違和感に気づく。最後の1体だけ、妙に冷静なのだ。
周りが倒されていく中、こいつだけは動かなかった。
そこまで考えた瞬間、相手が動く。
当然反撃しようと拳を出すが、拳が当たらない。
いや、正確には相手が避けているのだ。
しかしありえない。私のレベルは24。
同種であれば、【傲慢】の効果で実質Lv40以上のステータスを持つ。
格上であればなおさらありえない。
なんせ実質Lv70程度まで跳ね上がるのだから。
だというのに、私の拳は相手の動きを捉えきれなかった。
そこまで考えると同時に、私は無意識に相手を【鑑定】していた。
そうして見えた相手の種族は「スケルトン・アサシン」。
私にとっては完全に未知の種族だった。
しかし、分かったことが1つ。
恐らく相手は同格で、AGlに全振りしているような種族なのだろう。
名前的にもそうだし、そうでもない限り実質Lv48の私の攻撃をよけるなど到底できない。
それに加え、もしもLv72以上の格上なのだとしたら恐らく私は瞬殺されている。
なんせ、格上だというのならそれ相応に強いスキルを持っているはず。
であれば、こんな風にわざわざ私と戦う必要すらない。
それに、いくら早いとはいえ段々慣れてきた。
先ほどから、拳が掠るようになってきている。
そのまましばらく拳の応酬が続き、数秒の後。
相手の攻撃を、完全に弾くことに成功。
ここだ!
その瞬間、相手の顔面に右手をぶち込む。
なんの抵抗もなく吸い込まれたそれは骨を砕き、
《レベルが25になりました》
《条件を満たしました。進化を開始します》
という声と共に、私は意識を失う。
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