牢屋から出る

 ついにこの時が来た。

 いつもと違う時間に鉄の扉が開き、内海医師が入ってきて、口を開く。

 「保護室から出て下さい。

部屋を移動します。」

 やった・・・。

 なんて長かったんだろう!

 ここに入ってきた時は真夏だったのに、もうすっかり寒い。

 何ヶ月経ったのか・・・。

 内海医師は言う。

 「一つ上の階へ移動します。」

 階段は体力が全く無くなった為ふらついて落ちそうになる。

 足に力が入らない。

 看護師が二人ついて支えていた。


 そして、ここで、この嫌がらせの看護師達とはもう二度と会わなかった。

 上の階には上の階の看護師達が居た。

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