新しい歯磨きの儀式

 それからというもの、歯磨きは洗面所ではなく牢屋の中でやった。

 看護師の一人が漏らす。

 「三好さんには常に二人の看護師がついていないと駄目で面倒なのよ。

私たちは忙しいわけ。

これからは、ここの中で歯磨きして。」

 カップ麺の様な紙容器の器に水が入れられ、それで歯磨きを中でする様に要請された。

 水の器は一つしか無く、私は慌てて口をすすぐ為の水も必要だと頼む。

 使った歯ブラシを片方の器ですすぎ、もう片方の器で、口をすすいだ。

 最初は良かった。

 しかし、紙容器の器は使い捨てではなく、使い回しだった。

 歯ブラシをすすぐ器と口をすすぐ器の区別も無い。

 なんとも汚い思いをした。

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