地上げ屋編 大学日本拳法で学ぶ問題解決の思想 V.3.1

@MasatoHiraguri

第1話 隣家が取り壊され、我が家にも危機が迫る

*** 文中の「妻」とは10年前に離婚しております。***


目次

  かつて私が鎌倉に住んでいた頃、我が家は鎌倉街道に面した妻の実家(木造平屋)の奥に位置していました。実家の庭と建物を挟み、街道から30メートルくらい奥です。

その実家と我が家の玄関に通じる狭い路地を挟み、隣りが和菓子屋です。

 そして、反対側には、周囲を2メートルほどのブロック塀で囲まれた100坪くらいの無人の平屋(と庭)がありました。この家の私たちの家とは反対側の角には,樹齢数百年以上で高さ20メートルほどの巨大な楠の木が生えていました。


これだけの古民家と歴史的な巨樹を残そうとしない。

せめて、巨樹だけでも残して公園にでもすれば、鎌倉側から散策してきた観光客にも喜ばれると、誰しも考えるのですが、市役所というのは無料の公園を作るなんてことには全く無関心。民間業者が買い取り、取り壊すことになりました。


パンチパーマと金髪という2人の元気のいいお兄ちゃんたちが、小型ショベルやチェーンソーで巨木を伐採・根元から掘り起こし、建物を取り壊し、ブルドーザーやトラックを駆使して、3週間後にはまっさらな荒れ地(空き地)となりました。 

  4辺のブロック塀は全てこの建物の前所有者のものですから、当然、全て取り壊します。鎌倉街道に面した塀がまず最初に撤去され,次に私たちの家と反対側の街道からの細い道に面した塀も、トラックの出入りの為に撤去されました。]

更地になると、今度は街道から見て奥側の塀が取り除かれました。こうなると、街道から二軒目の、我が家に隣接する家(の居間)は、約30メートルほど先の鎌倉街道から丸見え・裸同然となってしまい、しばらくして、この家はホームセンターで何本も植木を買ってきて自分で植えていました

さて、最後の仕上げは、妻の実家との境にある塀を壊すだけということになりました。

実家にとっては、トイレや風呂の窓が面したこの塀が無くなると、やはり10数メートル先を通る人たちに丸見えの状態となり、気持ちのいいものではない。防犯上も危険が増すし、雨風が吹き付ければ建物も傷む。できれば撤去して欲しくないところなのですが、そこは地上げ屋(不動産屋)、そうやって隣との境(塀や柵)を積極的に撤去し、住民の心に圧力をかけて追い出そうという、常套手段なのです。

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