第2話
四月三日 池袋 四神学園大学中庭 十二時五分
「完全に出方を間違えたな、俺たち」
賢治は現状が簡潔にまとまった呟きを洩らした。入学式は十二時終了とのことだったが、新入生らしき姿は見当たらない。自分たちが入学した時のことを思い返してみれば至極当然。入学式は学内ではなく、大人数が入れる公共のホールを使って行われていたのだ。大きな学校なので、新入生の数は当然それなりに多い。本腰を入れて新入生を獲得しようとしているサークルは、ビラを持ってホールの方に向かっているようだ。
「確か、今週中はガイダンスとかが主で、新入生が学内をウロウロしてるはずっスよね。そういう子を捕まえたほうが、効率は良いんじゃないっスか?」
「できれば今日、いくらかはビラを配りたかったけど、この状態じゃ無理だよなぁ。仕方ない、明日以降にふらふらしてる新入生に声を掛けてみるとしようか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます