無題

快快

綺麗

綺麗なものを描きたかった。

綺麗なままでいたかった。

綺麗を知りたかった。


なんて自分は醜いのだろう、そんなことをふと思ってしまう。


人とは違うと感じ、人とは違うことに脅え、人とは違うことに自分の醜さを感じてしまう。


他人と同じようになりたくて、見ず知らずの人を真似る。

だけどそれは真似をしているだけで、その人になったわけではない。


自分が満足できることもなく、自分の人生に彩りを感じず、ただただひたすらに歩くだけ、そんな繰り返しの色あせた人生。


描きたかったのはこんなものじゃない。

昔は夢があった、希望があった。

ただ我武者羅に進めばいいとさえ思った。


いつからだろう現実を知った。

自分がただの人、周りと同じくような一般人だと知った。


テレビ等で見る輝いている人達とは違う、量産された一部の人だと思った。


画面越しで見る人達のようにオーダーメイドになりたかった。


周りからの目を気にしはじめた。

だけどみんな同じような人達だ。

他人に関心もない、自分のことを見る人達だ。


そう思うと心が少し軽くなった気持ちがした。


だけど綺麗なものは描けなかった。

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