・魔法の薬が存在しない世界
「いったいどこの誰が、自ら心底不幸になりたいと望むだろう。」
(島本理生 「アンダスタンド・メイビー(上・下)/解説・村山由佳より引用)
「安吾などもそうですが、家族、ふるさと、郷愁というものを感じさせる文章がすごく好きなんです。帰る場所、帰れない場所があって、つねに人生は旅である、という感覚。書いている人の後ろにつねにふるさとみたいな場所があって、でもそこはもう帰れない場所である、という独特の感じがいいんですよね。」(島本理生 2006年 「作家の読書道」インタビューより引用)
好きな作家さんは海外作家さん含めてたくさんいるんですが、多感な時期に、私が一番影響を受けたのは、島本理生さんだと思います。ジャンルは主に、恋愛小説。
特に島本理生さんは、比較的私と年齢が近い人生の先達。15歳のときの作品が受賞作になり、その後も数々の受賞をされ、今でも人気作家。何から何まで好きというわけではないですし、正直苦手な作品もありますが、憧れの方です。
ご自身が描いた現実。
暴力や搾取、傷や愛情に対する、〝魔法〟を書かないからでしょうか。
落ち着いた目線なのに、「人間」に対して、容赦がないんですよね。
島本さんの描くストーリーと結末はとても独特で、人を選ぶようなところもあるし、結末自体が明示されないことも多いのですが、私にはそれがすごく「私の生きた本当」の感覚に、ぴったりだったんです。
この「生きた感覚」を、今度は自分の手で描いてみたい。
高校生のときに「琴と嵐と泥雪と」という作品を書いて投稿してそれっきり(現在はサイトごとなくなっています)。
今年4月に、勇気を出してカクヨムさんに登録し、「口に合わない望みは食えない。」を書きだして8カ月ほど。
いつか「琴と嵐と泥雪と」の復刻版(?)を書くことも視野に、
迷いながら、精進しながら、私の感じるリアルを書き続けたいと思います。
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