第3話 依頼
最初の目的地は決まっていないけど、まずは隣町を目指す事にしたんだ。
道中では魔物に襲われることもあったけど、俺達の力なら楽勝だったな。
特にアンナの魔法の威力は凄まじかったよ、一撃で敵を粉砕していく姿は圧巻だったな!
そんな調子でどんどん進んでいって、遂に隣町に到着したんだ。
そこは小さな村ではあるけど、なかなか活気のある場所だったぜ。
早速宿を探すことにしたんだけど、どこもいっぱいなんだよな、
どうしようか悩んでいた時に、ある宿屋を見つけたんだ。
どうやら空きがあるみたいだから行ってみるとするか!
中に入ると女将さんが出迎えてくれたので、事情を説明したら快く受け入れてくれたよ、感謝だな。
とりあえず今日はここで泊まる事になったわけだが、部屋は二つしか空いていなかったようだ。
どうしたものかと考えていると、女将さんから提案されたんだよ。
一人部屋を二つ取るよりも二人部屋を一つ取った方が安く済むと言われたんで、そうすることにしたんだ。
まあ、俺とアンナが同じ部屋で寝るって事なんだけど、これは仕方がない事だよな。
うん、仕方ない事だ! というわけで、俺達はそれぞれ別の部屋に別れて泊まることになったんだが、
夜になってベッドに横になるとなんだか落ち着かないんだよな。
だって隣にはアンナがいるんだぜ?
そう思うと興奮してくるじゃないか!
よし、こうなったら覚悟を決めるしかないな、そう思った俺は思い切って声をかけたんだ。
そうすると中から返事が返ってきたので中に入ると、そこにはバスタオル一枚に身を包んだだけの姿で立っているアンナの姿があったんだ。
彼女の体は綺麗で胸は大きく腰回りはくびれているという素晴らしいスタイルをしていて思わず見惚れてしまったんだが、
今はそれどころではないと思い直した俺は意を決して話しかけた。
「どうしたんだ?」
そう聞くと、彼女は恥ずかしそうな顔をしながら答えてくれたんだ。
「あのですね、貴方にお願いしたいことがあるんです」
そうすると彼女は、モジモジしながら上目遣いで見つめてくるものだからたまらない気持ちになったぜ。
「なんだい?」
そう聞き返すと、彼女は顔を真っ赤にして俯いてしまったんだが、しばらくして顔を上げると小さな声で呟いた。
「その……抱いて欲しいんです」
その言葉を聞くなり、俺の理性は完全に崩壊してしまったぜ。
気づいた時には彼女を押し倒していたよ。
それから俺達は激しく愛し合ったわけだけど、最高に幸せだったぜ。
翌朝目が覚めると隣には素肌のまま寝ているアンナの姿があったんだ。
それを見て昨夜の事を思い出した俺は、また興奮してしまって思わず襲いそうになったがなんとか我慢したんだ。
「おい、起きろ朝だぞ」
と言うと、彼女は眠そうにしながらも起き上がったんだが、その姿もまた可愛かったな。
そんなことを考えているうちに目が覚めたらしい彼女は、俺を見て微笑んできたんだ。
「おはようございます、昨日は凄かったですね」
そう言われて、俺は顔が熱くなるのを感じたよ。
それから俺達は朝食を食べてからチェックアウトすると、すぐに出発したんだ。
「それで、これからどこへ行こうとしているんだ?」
そう聞くと、彼女から意外な答えが返ってきた。
彼女は俺に言ったんだ、俺と共に冒険をしたいという事と、そのためには俺の力が必要なのだとね。
俺は正直迷っていたけど、彼女の熱意に応えることにしたんだ。
しかし、俺達はまだ冒険者ではない。
つまりは無職なのだ!
そこでアンナは言った、俺が新しい職業に就いて活動すれば収入が得られるはずだと、
確かにその通りかもしれないと思って早速冒険者ギルドへ向かったというわけだぜ。
そして俺達はギルドに入ると、すぐに受付に行ったわけだよ。
「すみません、俺達冒険者になりたいのですが、どうすれば良いですか?」
そう尋ねると、
「かしこまりました、では手続きをしますので、まずはギルドカードを作りましょう」
と言われたんだ。
言われるままに待っていると受付の女性が一枚のカードを持ってきて俺に渡してきた。
どうやらそれがギルドカードのようだ。
「こちらがギルドカードです、これは冒険者である証でもありますが、
それと同時に身分証明書としても使用することができます」
そう言われて、改めて見てみると、確かに俺の名前と顔写真が載っているな。
しかしよく見てみるとこのカードは普通とはちょっと違うような気がするぜ、
なんというか、不思議な感じがしてならないんだが、まあいいか!
とりあえず、これで俺は今日から晴れて冒険者になれたってことだ。
やったぜ!
それから俺達は早速依頼を受けることにしたんだ。
内容は簡単なものですぐに片付いたよ。
報酬を受け取った後帰ろうとすると、そこで声を掛けられたんだ。
振り返るとそこには一人の女性が立っていたのだが、彼女の姿を見た俺達は驚愕したね。
「こんにちは、貴方達が新しい冒険者かしら?」
そう言いながら微笑んでいる彼女は、どう見ても美女にしか見えなかったんだが、
その体から漂ってくる甘い香りや美しい容姿を見て、俺は一瞬で虜になってしまった。
(か、可愛い過ぎるぜ!)
そう思って見惚れている俺に構わず彼女は続けて話しかけてきた。
「私はこの街を拠点に活動しているA級女魔法使いで名前はエミリーと言うのだけれど、
良かったら私に雇われて見ない? もちろんそれなりの報酬は支払うわ」
そう言って差し出された手を掴んじまうともう止まらないんだよな!
結局俺とアンナの二人で雇う事にしたわけだが、彼女の屋敷に着くと早速仕事の内容を説明してくれたんだ。
「実はあるダンジョンを封印して欲しいんだ。
最近、そこを訪れる冒険者の数が異様に増えている上にモンスターの数も異常に増えているのよ」
(ふむ、そういうことなのか)
と納得する俺だった。
「なるほど、それで俺達に依頼をしてきたというわけですか?」
そう言うと、彼女は笑顔で頷いた。
そして続けてこう言ったんだ。
「そうよ、貴方達にはそのダンジョンを攻略して欲しいの」
(えぇ……)
と内心思う俺だったが、引き受けることにしたよ。
だってこんな美女からお願いされたら断れないだろ?
それに報酬も良かったからな! というわけで早速準備に取り掛かることにしたんだが、ここで問題が発生したんだ。
それは装備の問題だったんだよ、なにせ俺達は無職だからな。
そんな状態でダンジョン攻略なんてできるわけがないと思った俺はアンナに相談してみたところ、
彼女も同じことを考えていたらしく相談に乗ってくれたんだが、結局いい案は浮かばなかったんだよな。
「うーん、どうしたものか」
と悩んでいた時、ふとあることを思い出した俺は試してみることにしたんだ。
それは魔法を使って武器を作り出すという方法だったんだよ。
早速やってみたところ上手くいったみたいで、俺の手には一本の剣が握られていたんだ。
「おお! これは凄いな!」
と言いながら喜んでいると、アンナも興味深そうに見ていたんだが、やがて自分も作り始めたようで、
彼女が作り出したのは杖だったんだ。
そしてそれを手に持って構えると俺に言ってきたんだ。
「これで準備万端ですね!」
(ああ……なんて可愛い子なんだ)
そう思いながら彼女に見惚れていると彼女は恥ずかしそうにしながら言ってきたよ。
「あの……そんなに見つめられたら恥ずかしいです……」
「ああ、すまない。つい見惚れちまったんだ」
と素直に謝ると、彼女はさらに顔を赤くしながら俯いてしまったよ。
そんな仕草も可愛くてたまらないぜ。
それから俺達は準備を整えると早速ダンジョンに向けて出発したんだが、道中でアンナが話しかけてきたんだよ。
「あの……もし良かったら手を繋いでもいいですか?」
そう言われて俺は一瞬戸惑ったものの、すぐに了承したさ!
だって断る理由なんて無いからな!
そうして彼女と手を繋ぎながら歩いているうちに目的地に到着したわけだが、そこは予想以上に大きな建物だったんだぜ。
しかも中に入ってみるとかなり広い造りになっていて驚いたな。
そしてしばらく探索していると、ついにお目当てのモンスターを発見したんだ。
それは巨大な蜘蛛のような姿をしていて、俺達を見つけるなり襲いかかってきたんだが、
俺は素早く剣を抜いて応戦したんだ。
そうすると次の瞬間には真っ二つに斬り裂かれて絶命していたよ。
(よし、これで先に進めるぞ)
そう思いながら先へ進むことにした俺達はさらに奥へと進んでいったんだが、そこで思わぬ事態が発生したんだ。
なんと行き止まりだったんだよ!
(おいおいマジかよ……)
と思いながら引き返そうとしたその時、突然床が崩れ始めたかと思うとそのまま落下してしまったんだ。
しかも落ちた先は水の中だったんだが、幸いにも水深は浅かったようで溺れることはなかったぜ。
しかし、問題はここからどうやって脱出するかということだな。
しばらく考え込んだ後、俺は思いついたことがあるので試してみることにしたんだ。
それは水の中でも呼吸ができる魔法を使うことだったんだよ。
(よし、やってみるか)
そう思って意識を集中させると、なんと体が軽くなったような感覚を覚えたんだよな。
これならいけると思った俺は思い切って泳いでみたんだが、驚くほどスムーズに泳ぐことができたんだぜ。
(おおっ!? これは凄いな!)
そう思いながらどんどん進んでいくと、やがて出口が見えてきたので急いで泳ぎ切ったわけだよ。
そして外に出てみるとそこは森の中で辺りには誰もいなかったが、近くに小さな村があったので行ってみることにしたぜ。
そこで話を聞いてみるとどうやらこの辺りには凶悪なモンスターが出没するらしく、そのせいで誰も近寄らないらしい。
そこで俺達はそのモンスターを討伐することにしたんだが、問題はどこで出現するのか分からないということだな。
とりあえず情報を集めるために酒場に行ってみたところ、そこで興味深い話を聞くことができたんだ。
なんでも最近になって突然現れた謎の男が、この辺りで暴れ回っているという噂があるらしいんだな。
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