第33話 アップデート
せっかくやりたい放題が出来るのだからやりたい放題してやろうではないかと、今日は
時刻は朝の七時。六時に起床、朝食を食べてそのまま飛び出してきたため、この冬ではまだ明るくなり切っておらず、朝の森らしい冷たく湿った空気が木々の間を漂っている。
今日の荷物は普段と比べて格段に多い。というのも、実は今日は新たに試してみたいことが大量にあってですね。土日しか活動できる時間がなかったため諦めた例の諸物に加えて、純粋に手段がなくて諦めていたものも幾つかあるので。今までも思いのままに動いてきたようで、割とできないことが色々とあってもどかしい思いはしてきたのだった。
更にそれに加えて、今は
今日のために買い揃えたものも大量にある。ただ、その整理の前に取り敢えず、一旦は何処か身を落ち着けられる場所を探します。今日持ってきた品々の紹介に関してはそこで。
と言っても、その身を落ち着ける場所というのも今日買って来たものに含まれるのだが。
柚餅子と共に周囲をいそいそと歩き回って、以前攻略した
コアが破壊された
といっても、魔物との遭遇率は
目的地に辿り着いて、柚餅子の背中から荷物を下ろす。この荷物を入れるための大きなバッグも今回買ったものであり、大型のバイクに乗せる物として売られているものの中で、柚餅子の背中に乗せて見劣りしないだけのサイズのある物を買って来た。メインのバッグが背中の上に乗り、その両側にそれぞれ一つずつの荷物入れが垂れ下がる形だ。
更に、もう一つ重量のある荷物を下ろす。背中が軽くなったのか、柚餅子は嬉しそうに跳ねながら部屋の奥の方へと走って行った。気が済めば数分で戻ってくるだろうので放置。
そして、今下ろした荷物。これが今回の宿泊場所だ。
そう、実はテントを購入いたしました。
実は永らく考えていたことだった。何せこの森というのは
しかしこの徹夜、割と辛いのだ。
睡眠時間的な問題はないにしろ、疲労感が残っている状態で戦い続けるというのは否が応でも体力を消費する。夜だけは撤退して森のどこかで身を落ち着けて休息するというのも過去に試したことはあるのだが、何せ周囲の警戒をしながら眠らないように気を確かに保つ、という精神的疲労の激しい芸当を成さねばならないわけで。
ということで、今まで困っていた夜の過ごし方。それが、このテントのお陰で解決した。
不安は残るけどね。何せ寝ている間に襲われたら微塵も抵抗できないわけで。
ということで、そんな不安を抱えているそこのあなた!
こちら防犯グッズの人感センサーでございます! こちら何と、電池式で動く優れもの。人でも動物でも魔物でも、何か生き物が前を通ればアラームでお知らせしてくれるという、まさに人類の夢をこれでもかと詰め込んだかのような品物です!
…………勢いで三個買って来ちゃったよね。二つ設置して、一つは予備かな。
そんなこんなで、夜眠る際の危機管理グッズは色々と揃えてある。その上最近どことなく眠りが浅くなって来たので、もし襲われても気が付けるような気もするし、何なら柚餅子もいる。
ここまで警戒すれば、一応は及第点だろう。完全に安心して夜を明かせる訳ではないが。
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