レッツゴー!~キャンピングカーに転生して美少女たちと異世界を旅する~

桜語文化

第1話 おれは人間をやめるぞ!

 俺は櫻井颯太という名前の35歳のサラリーマンだ。独身である。

 俺には夢がある。それは、キャンピングカーを手に入れて、一人で世界中を旅することだ。

 なぜかというと、俺は子供の頃からキャンピングカーに憧れていたんだ。

 キャンピングカーは自由で快適な移動空間だ。

 自分の好きな場所に行って、自分の好きなものを食べて、自分の好きなことをする。

 そんな生活ができるのがキャンピングカーなんだ。俺はよくYouTubeでキャンピングカーの動画を見ては、自分ならどれを選ぶか考えていた。

 でも、現実はそう甘くない。

 キャンピングカーは高いし、維持費もかかるし、駐車場もなかなか見つからない。俺には手が届かない夢だった。

 ああ、キャンピングカーが欲しいな。と、俺は心の中でつぶやいた。

 だから、俺は毎年楽しみにしているイベントがあるんだ。それは、ジャパンキャンピングカーショーだ。

 ジャパンキャンピングカーショーとは、日本で開催されるキャンピングカー関連の大規模な展示会のことです。

 この展示会では、世界中から700台以上の最新で最も流行的なキャンピングカーが集まっているんだ。小型で経済的な車もあれば、2億円以上する豪華な車もあるし、まだ公開されていないコンセプトカーもある。

 今年も行ってきました!まるで天国に来たような気分になるんだ!色々なタイプのキャンピングカーの内装やデザインを体験してみるんだ!

 もちろん、それだけじゃない。他にもキャンピングカー好きの人たちと交流することができるんだ。彼らと話すと、俺の夢が少し近づいたような気がするんだ。

 俺が一番気に入ったのは、Wingarminコンパクトサイズの「Oasi 540」だった 。これはまさに夢のようなキャンピングカーとさえ思えたものです。

 このキャンピングカーは全長6.2メートル、全幅2.4メートルで、底盤基台にはDodge Promasterが採用されている。駆動システムは新開発の3.5リットルV型6気筒ガソリンエンジンと、バッテリーに貯蔵した電力を利用しモーターで駆動するハイブリッド仕様だ。

 内部にはベッドルームやバスルーム、キッチン、リビングルームが完備されていて、小さくても豪華ホテルのようだったんだ 。

 このキャンピングカーに乗って旅行したら、どんなに楽しいだろうかと思ったんだ。

 でも、残念ながら、このキャンピングカーは俺にとっては永遠の憧れに過ぎなかった。

 なぜなら、このキャンピングカーの価格は驚くべき1億8,000万円もするんだ。

 俺には絶対に買えないし、借りることもできないし、乗ることすらできないんだ。

 せめて写真くらい撮っておこうと思って、スマホを取り出したんだ。

 その時、不思議なことが起こったんだ。

 俺はWingarmin Oasi 640の写真を撮ろうとしたんだ。でも、その瞬間、頭上から何かが落ちてきたんだ。

 それは、展覽会場の上に掛けられていた、広告用の大型ビジョンだったんだ。なぜかケーブルが切れてしまったんだろう。

 気づく暇もなく、そのディスプレイに潰されたんだ。痛みも感じなかった。

 俺はその場に倒れて、意識を失ったんだ。

 周りの人たちは慌てて駆け寄ってきたんだろう。救急車を呼んだり、人工呼吸をしたりしたんだろう。でも、もう遅かったんだ。

 それが俺の最期だったんだ。

 俺は死んでしまったんだ。

 死んだ後、しばらくの間、何も感じなかったんだ。

 暗闇の中に浮かんでいるような感覚だった。時間も空間もないようなところだった。自分が存在することすら忘れていたんだ。

 でも、その状態は長く続かなかったんだ。俺は徐々に意識を取り戻していったんだ。まず、聞こえるものがあったんだ。

 鳥のさえずりや風の音、水の流れる音など、自然の音が耳に入ってきたんだ。

 次に、感じるものがあったんだ。暖かい日差しや涼しい風、柔らかい草や土の感触など、肌に触れるものがあったんだ。

 目を開けて、周りを見渡したんだ。

 目が覚めた場所は、病院でも霊安室でもなかったんだ。

 青い空や白い雲、緑の木々や花々、色とりどりの動物など、目に映るものがあったんだ。

 どこにいるんだろう?

 どうして動けないんだろう?

 俺は体を動かそうとしたんだ。でも、どうしても動かなかったんだ。

 腕も足も首も動かなかったんだ。声も出せなかったんだ。口も鼻も目も耳もなかったんだ。

 自分の体がおかしいと感じたんだ。不自然で不快で不安で恐ろしい感覚がしたんだ。

 俺は慌てて周りを見回したんだ。どこかに助けてくれる人がいないかと探したんだ。

 誰かが来てくれるのを期待していたんだ。誰かが俺の状況を救ってくれるのを願っていたんだ。

 でも、誰も来なかったんだ。

 森の中は静かで寂しいだけだったんだ。

 偶然にも近くの木に掛けられていた鏡を見つけたんだ。それは全身が映る大きな鏡だったんだ。

 鏡の中に自分の姿を探したんだ。でも、見つからなかったんだ。

 鏡の中に映っていたのは、緑の木々や花々に囲まれた白いキャンピングカーしかなかったんだ。

 キャンピングカー?

 それはWingarmin Oasi 640です。

 それが俺の夢のキャンピングカーだったんだ。


「……」


 え?なに?俺はどこにいるんだ?俺は何になったんだ?


「…………」


 周りには森の中に、Wingarmin Oasi 640以外には誰もいなかったんだ。


「………………」


 しばらく待ってみたけど、誰も現れなかったんだ。

 白いWingarmin Oasi 640は、森の中でじっと待っていたんだ。動くことも話すこともできないから、ただ待つしかなかったんだ。

 もしかして……俺はWingarmin Oasi 640になったのか?Wingarmin Oasi 640が俺の体になったのか?

 これが本当なのかと思ったら、信じられなかったんだ。

 これが俺の夢の始まりなのかと思ったら、嬉しくも悲しくも怖くもあったんだ。

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