活劇

プラスチックのコップに黒い液体が揺れている

安価な香りを放つそれを

僕の唇は羽音を立てて飲んだ

飲まれているのは僕かもしれないと思うが

目の前には空のコップがしたり顔


コップは日付変更線が掠め取った諸々を

ぐわんと一息にすくいとる

僕はそれを端から啜り

あらゆる思念を臓腑に詰めて

ゾンビに食わせる

ゾンビは顔を歪めて

僕の頭蓋を開けた


脳が啜られる感覚が僕の価値だ

その価値を抱えて生きる決意をする

冒険活劇のとある一幕で

観客がどっと笑う

その光景を見たのだろうか

僕はフィルムの中で

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