第5話 再始動
九曲署会議室。事件もいよいよ解決に向けて大きく動き始める。
「それではこれから捜査会議をはじめる」
会議室で捜査一課長の谷が捜査員たちを見回す。憎むべき犯罪と戦う捜査一課の面々、ここにいるのは皆百戦錬磨のつわもの達だ。
「容疑者の目撃情報が複数寄せられている。捜査はここからが正念場だ、気を抜かないよう」
谷は泰然とした態度で捜査員達を見回す。威厳のある視線に捜査員達の背筋が自然と伸びる。
これまで様々な事件を解決してきた捜査員達。憎むべき犯人を追いつめつつある状況が彼らの士気を高めていた。
「……ということだ。何か意見はないか」
特に意見もないようなので、指示を出そうとした谷。しかしそこで一人の男がゆっくりと手をあげた。
全身まんべんなく覆う包帯、ギブスで固められた手足、包帯と金具の隙間から覗く暗い情熱をたたえた瞳。
会議室の捜査一課の刑事達が見守る中、"彼"のショウタイムが始まる。
「ん、どうした古田」
「……ほがむが……もがもががが……ふが……もがふがもふが……もが……もごもごふがふ……ほがほごふぐもぐ……」
「よし、それじゃあ時田と藤原は目撃情報のあった辺りの聞き込み、森本と須藤と宮元は潜伏場所と思われる場所の張り込み。あと佐藤、古田を病院に連れ戻してもう出すな。では解散!」
「了解!」
それぞれが己の果たすべき役割を十分認識している捜査員達は、課長の言葉にすばやく反応して散っていく。
事件解決はもう目の前だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます