バキューンポリス 古田マグナム

第1話 始動

 九曲署捜査一課。ここで繰り広げられるのは事件と戦う男達の物語。


「それではこれから捜査会議をはじめる」


 会議室で捜査一課長の谷が捜査員たちを見回す。憎むべき犯罪と戦う捜査一課の面々、ここにいるのは皆百戦錬磨のつわもの達だ。

 今回彼らに課せられたのは殺人事件を解決に導く事。

 これまで様々な事件を解決してきた捜査員達。犯罪を憎む彼らは今回の事件においてもその能力をいかんなく発揮すべく会議に臨んでいた。


「……ということだ。何か意見はないか」


 特に意見もないようなので、指示を出そうとした谷。しかしそこで一人の男がゆっくりと手をあげた。

 だらしなく着込んだジャージ、ぼさぼさの頭、眼光鋭く虚空を見上げた瞳。

 会議室の捜査一課の刑事達が見守る中、"彼"のショウタイムが始まる。


「ん、どうした古田」

「……意見……それはうつろいゆく幻……そう……それは終わらないダンス……さあ……踊ろう……夜が醒めるまで……」

「よし、それじゃあ時田と藤原は現場周辺の聞き込み、森本と須藤は凶器の方を当たってくれ、宮元は鑑識へ。あと古田は三丁目の田中さんの家のおばあさんが話し相手が欲しいそうだからそこ行ってくれ。では解散!」

「了解!」



 それぞれが己の果たすべき役割を十分認識している捜査員達は、課長の言葉にすばやく反応して散っていく。

 彼らの手にかかれば、事件は遠からず解決するだろう。

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