護りたいあなたと壊されたいわたし
水上夜桜
プロローグ
「緊張してる?」
抱きしめても、優しく口づけてもぎこちないエリスにレオナルドが訊ねる。
「…少し…でもお願い、やめないで」
もっと気の利いたセリフでも出ればいいのに、声が喉に張り付いたみたいになってかろうじて言った言葉がそれだ。
「大丈夫、望み通りにしてあげるから」
一度ちゅっと唇に軽いキスをするとレオナルドはベッドから離れた。
「あ……」
エリスは不安になって、レオナルドを追うように手を伸ばす。やっぱり娼婦みたいな女は抱けないということなのだろうか。
しかしレオナルドはすぐに戻ってくるとエリスに深く口づけた。同時にカッと熱い液体が喉に流れ込んでくる。
「…っけほっ…なに今の?」
レオナルドはにやぁと笑って
「催淫剤。大丈夫、後遺症とかもないよ。ただ気持ちよくなるだけ」
レオナルドの目が紅く光っている。
「うちの優秀な宮廷魔術師が作ったから安心して」
レオナルドはエリスのメイド服を器用に脱がせ、あっという間に露わになった双丘に優しく手を添える。
「ふふ、思ったとおり、綺麗なおっぱい」
やわやわと揉みしだく指先に、次第に力がこもっていく。
催淫剤のせいか身体の奥の方がじわじわ熱くなってきた。知らず内股を擦り合わせるように足が動いてしまう。
「おっぱい感じるの?」
「わっわかりませんっ…」
これが感じる、ということなのだろうか?
「じゃあこうしたら?」
突然レオナルドがエリスの両方の淡い突起をきゅっと摘んだ。
「ああんっっ‼︎」
初めての強い刺激に抑えようもなく高い声が漏れ、身体がのけぞる。
「いいみたいだね」
レオナルドの楽しそうに言ったが、その指先が絶え間なく突起を弄るので、自分の甘い声でよく聞こえない。
「ああっ、ね、まっ…待って…あっ、あっ、何か変なの」
身体の中心を走る電流のような刺激に耐えられず、レオナルドの腕を掴む。
レオナルドはそれを優しく外すと、脱がしかけてエリスにまとわりついていた服を一気に剥ぎ取って白い裸体を露わにした。
「変って、ここがこんなに濡れてること?」
足の間の、まだ固く閉じているが潤み始めた割れ目にすっと指を滑らせる。
「───っ」
催淫剤のせいなのか、軽く触れられただけで、身体が跳ねる。
しかし、そんなことで遠慮するような男ではなく、温かく潤む溝に指を沈めてゆく。
「ああ、中の襞が絡みついてくる。ここ入れたら気持ち良さそう」
エリスは初めて身体の中に感じる異物に肌が泡立った。
「ああごめん、こっちも可愛がってあげないとね」
レオナルドはそう言って前の方の赤く充血している粒をもう一方手でするりと撫でた。
「あああぁぁ───っ‼︎」
そこから脳まで一気に快感が駆け上がった。同時にレオナルドの指を埋め込んだ場所がぎゅっと締まる。
「中あっつい。───俺も我慢できなくなってきたから、ちょっと緩めて。早くエリスの中に入りたい」
そんなことを言いながら、粒をくりくり弄るものだから、エリスの喉な甘く悲痛な叫びが漏れる。
「それダメ──ッ‼︎ ああんっあっあっもう…へんっへんになる──っ‼︎」
ついにエリスの目の前にパチっと閃光が弾けた。
「イッた? こっちも指三本入ったから大丈夫かな?」
いつの間にか、エリスの中を探る人指が三本になっていた。
レオナルドは一度起き上がると、まだ着たままだった服を脱ぎ捨てる。
そして肌を合わせて、また息の荒いエリスに口づけた。
宥めるように身体を優しく撫でながら、足をさらに大きく割り開き、その中心に自身の熱く激る怒張を突き立てる。
「きっつ…」
しっかりとほぐれていたと思ったが、想像以上にきつい。みりっと音がしそうなほどの抵抗に、レオナルドはふと先程聞いた話との違和感を感じた。
「もしかして初めて?」
ビクッとエリスの身体が震えた。
「ちょっと待ってそれなら…」
「やめないでっ‼︎ お願いっ‼︎ 壊して欲しいの‼︎」
悲痛とも取れるような叫びにレオナルドの動きが止まった。
「めちゃめちゃにしてっ‼︎ そうじゃないとわたし───」
レオナルドの唇がエリスの言葉を封じた。慰めるように優しく口の中を舌が撫でる。
「大丈夫。望み通りにしてあげるよ」
そう言うとエリスの中にぐっと突き進んだ。
「───っ」
じんっと身体の中心を走った痛みに耐えた。レオナルドにしがみついて身体を強張らせる。
「慣れるまで動かないであげるから」
優しく髪を撫でて身体を摩る。耳を舐め、胸の膨らみに手を這わせ、ゆっくり快感を引き出そうとする。
エリスはじわじわと身体の奥が熱くなるのを感じた。
「───っふ…ぁ……んっ……」
「少し動くよ」
レオナルドが緩やかに腰を動かす。エリスの反応を見ながら、徐々にその動きを大きくしていく。
「ああっ──っん───いやぁ───なにか、くるっ」
徐々に痛みとは違う甘い熱が全身を覆っていく。
(わたし感じてるの───?)
脳が溶けそうな快感にもう身体が思うような動かない。ただ突き上げられるまま、気持ちよさに身を任せることしかできない。
(違う───これはわたしが望んでいたこととは違う───)
白く濁っていく頭の中でそう思った瞬間、一際強い快感にふっと意識が途切れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます