花のさして面白くも無い話し

 花は情けないなぁと思う事があるのですよ。

お仕事の時にたまに使うコンビニがありましてね。

花はいっつもタバコとコーヒーしか買わないんですよ。

さすがに店員さんに覚えられたですよ。


 レジに向かうともうすでに花の買うタバコが用意されてるのですよ


 「一個?二個?」

 って聞いてくれます。


 花は


 「チャッスねーチャッス」(そうですねぇ一個で)


 花は「いつ取ったの?」と毎度思うのですよ。

花の視界の中でそんな素振りは発見出来ないのです。

てじな~にゃ。


 花が何も言わなくても


 「今日は?アイス?ホット?」

 と聞いてくれるので花は


 「チャス、チャイスシャス」(今日はアイスで)


 阿吽あうんの呼吸ってやつですな。


そんな店員さんが話し掛けてくれることもあるのです。


 ですが花は何を話し掛けられても


 「ウィッス、チッス、チャッス、シャシャッス」


 としか話せないのですよ。

つまらない人間でごめんなたいなのです。


そして外の灰皿の所でぷっかぷかしていましたらね。

「こんにちは~」

なんてタバコを吸いに来た女性に声を掛けられましてね。

花は「ひゃぁぁぃっチャッス」

なんてテンパリましてね。

でも少なくとも五分位は同じ場所に居る事になるじゃないですか。

花は頭をフル回転させましたよ。

何か世間話しをひねり出さなければ。

なんで普段からにゅーすを観ないんだ花よ。


はい、世間話しの一つも言えない花なのです。


「良い天気ですね」とマダム。

「チャッスねー」と花。

「でも朝晩は冷えてきて嫌ですね」とマダム。

「チャッスねー」と花。

珈琲コーヒーはホットが美味しくなりました」とマダム。

「チャチャッスねー」と花。

「あなたのそれはアイス珈琲コーヒーかしら?」とマダム。

「チャミスルッスねー」と花。


コミュニケーション能力不全を痛感しましたね。


そんな花ですからね。

カクヨムでも能動的のうどうてきにコメントを書くということが出来んのです。

謹んでお詫び申し上げたいのです。


花だってみなさんのを読んで

「あーこの表現素敵だなぁ」

「この感情かんじょう描写びょうしゃ凄い!花には出来ん」

「作者さんは大の車好きだな」

とかもっと色々と沢山思うのですよ。


しかしながらいざコメントが書けない。


というのも花はかなりトンチンカンな事を言ったり書いたりしてしまう事が良くあるのですよ。


「何の事言ってんの?」

 だったり

「今はその話題じゃないよ」

 みたいな空気を作るのが達人級に発達してるのですよ。


花はそれが怖くて尻込みしてしまうのです。


しかーし。

そんな花でも思わず反応してしまう話題。

マンガとアニメの事なのです。

もう話題に混じりたくてワッキワキしてしまうのです。


というのもですね。

元々はマンガは普通に好きくらい。

アニメはあんまり観ないかな?という感じ。


そんなアホタレ花にも生きてるあいだに人生に絶望するタイミングがいくつかありました。

死別だったり離別だったり。


もう喪失感から抜け殻になっていた花。

偶然「銀魂ぎんたま」のアニメを観ました。

原作は少し知っていたのですがね、めっちゃ字が多いマンガとして。


銀魂ぎんたまアニメは全三六七話と長いので、来る日も来る日も銀魂ぎんたまを観るという日課が出来ました。

観ているあいだは嫌な事を忘れている。

でもその時の花はこの事に気付いてません。

理由も分からずに、空いた時間はひたすら銀魂を観ていましたね。


ギャグとシリアスとハートフルと涙。

一番泣くのは佐々木ささき異三郎いさぶろうのところ。

大義の為に悪に徹した男が、それでも捨てられなかった物とは何か。

泣けるのですよ。


他のドン底の時でも「リゼロ」や「物語シリーズ」が花の頭をよしよしと撫でてくれましたですよ。


どれもリアタイでは無いのですがね。


そしてふと

「花を救ってくれるのはいつだってアニメだ」

ということを自覚したのですよ。


そう自覚してからですかね。

マンガアニメ大好きっ子花になったのは。


でもそんなマンガアニメの話題でも花はやらかしてしまうのですよ。

少年マンガの話題に食い付いたとしましょう。

「わーいマンガの話しだー!」

なんて意気揚々いきようようとするのですがね。


 花は途中から少女マンガの話しをしてしまって


 「あぁ今は少年マンガの話しだからさ」


 みたいな空気にしてしまうのですよ。

でも花はまだ気付いてません。

後になって思い出してから気付くのですよ。


そして落ち込むのです。

沼の様に。

でもマンガアニメの話しは大好き。

ジレンマ。





 総括


「コメントの一つも出来ない花を許してやってつかぁーさい」


いつか言わなくてわ!と思っていたお話しだったのでした。

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