花は新言語を覚える

 花の主食はパンなのですよ。

と言うよりほぼパンしか食べないのですね。

花のおウチの冷凍室には凍ったパンがみっちみちに詰まっておりますよ。

お取り寄せパンの虜なのですよ。

いやー良い時代になったものなのですよ。


 今でも定期的に花の生存確認をしてくれる、以前の職場の後輩が居ましてね。

優しさに涙なのですよ。


その後輩との会話。


後輩 「花さん食パンとかってどうやって食べるんですか?」


花 「食パン?そのまま食べるよ~」


後輩 「えっ?焼いたりしないんですか?」


花「焼かない焼かない。焼くとさー、上顎ってゆーの?あそこの皮が剥けて痛くなるだよ~」


後輩 「にしたって、何か塗ったり挟んだりとかあるじゃないですか」


花「んまぁ気まぐれにハムなんか買ったりもするけど、九割九部そのままだねぇ」


後輩 「はぁ、それじゃ他の味付いて無いやつは?」


花 「花は基本プレーンでしか食べんのよ。焼きもしないしね、小麦と塩の味で十分美味しいよ」


後輩 「ほんと我が道を行く人だなぁ〜」


花 「えっプレーンで食べたりしないの?例えばバターロールとかさ」


後輩 「いや、素食すぐいはしないですね…」


花 「いや素食すぐいて。初めて聞いたわ。なんかエロいな」


後輩 「どこがエロいんですか。はぁ」


後輩 「パンって言っても沢山種類あるじゃないですか?花さんはどんなパンが好きなんです?」


花 「花はねぇ、バゲットとかカンパーニュとかハード系のパンあるじゃん?あれを顎痛てぇー、言いながら食べるのが好き」


後輩 「それじゃ硬い食感が好きって事ですか?もちもちとかふわふわとかもありますけど」


花 「違う違う。食感の事じゃないのよ。」


後輩 「ん?」


花 「顎が痛くなるのが良いのよ。顎痛てぇーって言いながらそれでも食べるのが良いのよ」


後輩 「……この変態め」


花 「おまっ、ちょっ、お前褒めんなよ〜」


後輩 「褒めて無いです。一ミリも」


花 「なんか欲しいんだな~良しこれをあげよう」


後輩 「…花汁はなじるが染み込んだヘアゴムなんて要らないですよ」


花 「おまっ、やっぱエロいな」


後輩 「何バカな事言ってんですか。仕事して下さい」


花「さーせん。お仕事しますよ」


この後輩がホームベーカリーを購入して、食パンを一斤まるまる花に届けてくれる様になるのはまた別のお話し。

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