花のそうめんはしょっぱい
犀川 ようさんの作品を読んで花は思い出したお話しがあるのです。
著
犀川 よう さん
作
素麺を茹でるだけだと言われれば私が湯立ち君にやらせる
(共感作品ですよ。ふむふむ分かるぞ分かる!あーね!ってなるのです。皆さんも是非とも読んで下さい!)
ただこれはお話しするかしないか迷ったのです。
思い出して
「あーこれは中々の残念エピソードだったわ」
と思ったのですが、とにかく暗いのですよ。
多分読んでも(くすりッ)と出来る部分が無いと思うのです。
ですから花の本文は読まなくても良いのですよ。
少なくとも花の心は最後まで救われないのよ。
犀川ようさんの方は読んで下さいのです。
と言っても花の方はそうめんが出てくるだけで内容はそうめんと全然関係ないのですけども。
いつぞやの夏の事なのです。
花にしては珍しく飲み会が数回コンスタントに重なってた時があったのです。
後輩の送別会やら個人的な慰労会とかですね。
花の住んでいる所は駅から遠くて、遅い時間はバスの運行も終わってしまうのですよ。
ですので同居していたパートナー(過去形)にお迎えだけお願いしたんですよ。
それからしばらく経った時に、パートナーが新しいバイトの子と飲みに行くから送り迎えして欲しいって言われたです。
花はもちろんやってあげたかったですよ。
それでも一応スケジュールを確認しました。
その日はなんと仕事が二十二時までだったのです。
帰宅時間を考えたら二十三時近くになってしまうのです。
花はその旨を伝えたのです。
そうしたらパートナーは
「はっ?自分は散々やってもらっておいて、自分はしないわけ?」
って烈火の如く怒りだしたんですよ。
そりゃあそりゃあぶわーって怒りに任せて花を責め立てる言葉をまくし立てるのです。
やりたくない。ではなくて。
出来ない。なのです。
そしてパートナーは花にこう言いました
「仕事を代わってもらえ」と
花は思いました
「こ…こいつマジか…」
それでも花は会社の人達に代わってもらえないかお願いしましたよ。
ですが結果は誰も代わってくれなかったのです。
所長と二人きりでクローズまでなんて花以外はやってくれないのですよ。
花は考えました。
何か解決策はないかなと。
足りない頭でうんしょうんしょと一生懸命考えたのですよ。
そして帰宅後パートナーに提案したのです。
花がお金を出すからタクシーを使って欲しいと。
深夜料金でなおかつどこで飲むかも分からない花は二万円を差し出しながら言ったのです。
そうしたらパートナーは言ったのです
「はっ?そんな事したら相手が気を使うだろ?なんでそんな事も分かんないの?バカなの?花は自分だけ良ければそれで良いの?マジで最悪」
正直これじゃ済まないくらい長々とネチネチと色々と言われたのですよ。
花はもう返す言葉が見付からなくてとりあえずご飯を作ることにしたですよ。
作ったのは豚しゃぶのっけそうめんだったです。
(イメージつかないですよね、コンビニで売ってるぶっかけ冷やしうどんのそうめん版みたいなもんです)
夏なので食べやすいそうめん。
でも肉好きのパートナーの為に豚しゃぶと刻み野菜をもりもりしたです。
(Non Meat だと不機嫌になるのですよ)
ご飯出来たよと声を掛けても無視なのです。
ダイニングでしばらく待っても来る気配もありません。
数回声を掛けましたが引き続き無視なのです。
諦めた花は一人で食べる事にしました。
でも一人で食べている事を気取られたくない花は、箸で数本つまんではちゅるちゅると静かに静かに音を立てない様に食べていたのですよ。
でも、花は、泣いていたみたいなのですよ。
無意識に鼻を啜ってしまっていたみたいなのです。
その音が聞こえたパートナーがダイニングキッチンの入り口まで来て言ったのです
「はっ?なに?何泣いてんの?」
「ごめんなさいて言ってみ。言ったら食べてやるよ」
花は「ごめんなさい」って言ったですよ。
そうしたらやっと食べてくれたです。
でも二口くらい食べたパートナーは立ち上がって、持っていた箸をキッチンシンクに雑に投げ入れて言ったのですよ
「ご、ち、そ、う、さ、ま!」
花はもう涙と鼻水でぐちゃぐちゃでしたよ。
パートナーの為に多めに作った夕ご飯を頑張って少しずつ少しずつ時間を掛けてゆっくり完食したのですよ。
そして当日まで口を聞いてもらえなかった花は結局どうする事になったのか判らなかったのですよ。
ですので、出勤前に玄関の靴箱の上に二万円を置いといたのです。
帰宅したら二万円は無くなっていたので、やっぱりタクシーにしたのかな?なんて思いましたよ。
夜中になりパートナーが帰って来ました。
どうしたか花は聞いたのですよ。
「結局飲まない事にして普通に遊んできたわ」
花の二万円で遊んできやがったのですよ。
こいつ。
花は思いました
「不機嫌が直って良かった」
花も思考が大分おかしくなってたみたいなのですよ。
後日分かるのですが、こいつは花のお金でホテルに行きやがったのですよ。
めでたしめでたし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます