一章。その1『始まりというか普通に犯罪だよねあの中年おじさん。』



「雪…か、」

 蒼天は朱色から、黒紫、遂には濡羽色へと変わる。辺りは、人通りが感じられず、常に俺と、その他一人二人、と言った 場所そんな中に、ポツリ、ポツリと雪が降り落ちる。

 そんな中、間抜けな声で「雪か」などとほざく中学三年生の新男子高校生_____一之瀬 結城がいた。

こんな事をほざいてる俺超かっけー、めちゃめちゃエモくね?とか思っていた。

こんな人のあまり通りかからない古びた公園と言う前提を踏んでいてだ。、ちょっとイタいかもって思いもしたが、自分がいいならそれでいい、そう、それでいいのだ…………いくらオタクで根暗で陰キャでもいいのだ。……………やばい自分で言ってて辛いわ。

『んぁ…いや、やめて…‼︎』

 夜の始まりの中、飛んだ奇声を上げる少女がいた。

 びっくりした。え?いたんだ……てか何があったんだ?いやほんとに何あったんだ……?

まぁそんなのどうでもいい、関わってもめんどくさいだけだ。

 内心そう思ったが、ほんの少しの興味があったため、チラッと視界の中に収めてみた。

「わぁぁぉお」

驚きのあまり、声に出してしまった。何処からそんな声がしたんだ?と思い、周りを見渡す。そうしていると、木の物陰に……なんとなんと中年おじさんが、高校生?くらいの大人びた女の子の上腹部にある二つの柔らかそうな膨らみを揉みしだいているではありませんか、しかも、上着の中に手を入れて,制服着てるからもうエッすぎる。同人誌かよ。

あたふたとして、童貞の血眼になったまで見る。

ニチャァぁとした笑みを浮かべるおっさんと、若干涙気味の女の子、赤面とともに。

てか制服の破壊力えぐいな。

と言いますか、大人びた女の子などと表現するのは愚か。彼女はとても美しかった、可愛かった。外見を見れば一瞬で理解可能だ。

艶やかに整ったロングヘアー

だがこんなことはあってはならない!あの現役JKが可哀想ではないか。 

そんな考えが一瞬脳裏によぎる。 

でも、ここで割り込むの面倒くさいじゃん??ここはスルーでいいかな。

俺の完全完璧にできた脳がそう考える。

だが、やはりJKを食ってる所を見るだけと言うのは辛い、一人で慰めても慰めきれないものがある。

よし、決めた、ここは警察への通報という形で処置を取ろうではないか。ていうか何様だ?俺は、アンサー、現役JKのセクハラシーンを横にデュフりながら警察へ通報しようとしてるものですが?


 俺は、そんなセクハラシーンを横目に、公園の公衆トイレへと駆け込む、結構古い公園、という事もあり、個室には和式のボットン便所、そこからは異臭が解き放たれる。


しかもね、洋式がね、暖房設備が整ってないから、めちゃめちゃ冷たいの、雪も降ってるし、やべなんかうんこしたくなってきた。


「おぉし、ここならあいつらも聞こえないだろ俺って結構頭よくね、あそこで電話かけたら絶対バレるって知ってるからかな、頭よくってよかった。

 まぁそんなことはどうでもいいや、119番だっけ?あぁそれは消防か、えーと、あっ110番か、』


 スマホを取り出し適当に決めたパスワードを打ち込み、電話?のアプリを開いた。


 ぷるるるるるっと、なんか地味に萎える音が響く、と言ってもただの電話の音だが、なんでこんなに悲しい雰囲気の音なんだよ、これ。


 ぷぎゅ_____電話をとる音が聞こえた。

てか時々思うんだが、俺語彙力皆無じゃん、こんなんずっと続くの?っと頭の片隅で思う。


『はいもしもし、伊那市警察署です。』


 これが、警察か、普段というか普段ないのがありがたいのだが、あまり警察へ電話をかけるっと言うことはしないので、内心おぉぉとなる。


「あの、春ヶ丘城址公園で、比較的若いと思われる女性が、痴漢に会っています。よろしければ、税金泥……警察の方々来てい田だけませんでしょうか?」


 今一瞬、税金泥棒って言いかけたよな?

 そんなことよりこいつ電話で性格変わりすぎじゃね?エモいとか関係ねぇじゃん。


『あ、はい、分かりました。すぐに向かわせます。』


 何かを察しながらも大人な対応をする電話相手。


心の中で感激する俺、その内容が女子高生を助けるための電話……エッモ。


「はい、ありがとうございます。宜しくお願いします。」


 いやーこんなすんなり警察に通報出来んもんなんだな……。


 スマホの電源を切り、ポケットの中に突っ込む、ポケットの中に洗濯の時に出し忘れたポケットティッシュが入ってるのはここだけの話、  

 通報したし、少し隠れていよう。この公衆トイレで、辺にバレても面倒だし。

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