第10話 名物行列

秋―――――――――――

相変わらず気持の良い気候で、ソファで帽子で顔を隠して眠るチビが1人。

「こらっカインさん!またそうやってダラダラして!少しは警備もしてくださいよ!」

「だっていい気持ちなんだもぉん!」

「『もぉん』じゃないですよ気色悪い!とにかく…」

そう言ってピッピが事務所の窓を見た時です、

「あああああああああああああああああああッ」

「どうしたんだい絶叫のような声を出して」

カインもけだるそうに窓の外を見てみると、

「こういつは大変だ!うっかりしてた」

窓の婿には、わたがしのような生物がふらふら動いている。

カインは帽子を被り直して。急いで外に飛び出した。

もうすでにわたがしのようなものはポツポツと増えており、観光客も写真を取りに集まっている。

誘導棒に光をつけたカインは、わたがしのような物体に向けて、

「こっちですよ~はいこっちですからね~」

交通誘導をすると、素直について来た。数も多くなっている。これぞ名物「わたがし行列」わたがしには目と口の点が付いていて、毎年秋になるとゼネストポリスを行列するのだ。ちなみに天然記念物であるからやっかいだ。列はいつまでも続いた。

列が途切れた頃、ようやくカインの仕事も終わった。行列は冬を連れて来るとも言う。もうすぐ冬かー。そんなことを思いながら事務所に変えるカインなのでした。

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